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作者:SOW,ザザ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-08-02(Hobby Japan)
价格:¥550 原版
文库:HJ文库
丛书:戦うパン屋と機械じかけの看板娘(5)
代购:lumagic.taobao.com
戦うパン屋と機械じかけの看板娘5 目次 序章「出会い」 一章「王都潜入」 二章「魔女からの言伝」 三章「鍵付きの本」 四章「じゃがいも好きの無能な王さま」 五章「他人の命を懸ける覚悟」 六章「ルート・ランガートの決断」 七章「そして〝扉〟は開かれる」 終章「別れ」 あとがき 序章「出会い」  その男と初めて出会ったのは、十二か、十三のころ。  正確な日付は覚えていないが、ある任務を果たした後のことだった。  孤児だった俺を拾い、兵士に仕立てあげ、「ヴェアヴォルフ」に入れた者たち。  生きるために、死なないために、言われたことは全て果たした。  辛い訓練も、過酷な訓練も、非人道的な訓練も、全てこなした。  殺せと言われた相手は、容赦なく殺してきた。  それなのに、俺は、殺されかけていた。 「このガキは危険だ!」  少佐だったか中佐だったかはわからないが、肩に星が沢山付いている軍人たちが、椅子に縛り付けられている俺を指さし、まるで獣を見るように怒鳴っている。  獣を見る?  何を今更。  ヴェアヴォルフ――「人の皮を被った狼」相手に、今更何を言うのか。 「上官や友軍を、躊躇なく殺すとは……」 「それで自分だけ生きて帰ってくるのだから、とんでもない外道だ」  呆れ果てている軍人たち。  彼らは、ヴェアヴォルフの指揮官たち。自分の飼い主だ。 「今後、同様のことがあると厄介だな」 「ああ、番犬は鎖に繋がれてこそ意味がある。ましてや狼だ、いつ手を噛まれるかわかったものではない」  彼らが、自分を〝殺処分〟しようとしているのがわかった。  なぜこんな目に遭わねばならないのか。  自分は、命令を果たしただけなのに。  抵抗する気も、抗弁する気も起きなかった。  それどころか、どこか、それが自然の成り行きだと思っている自分がいた。  親を亡くし、生きるすべを無くし、野良犬のように路地裏で寝起きしていた。  なんの因果か、軍に拾われ、兵隊として訓練を受けたが、きっとそれすらも、間違いだったのだろう。  自分はさっさと、死ぬべき人間だったのだ。  観念した――というのとは、やや異なる。  正しく言うならば、もう、抗うことに疲れたのだ。  ガチャリと、上官の一人の、拳銃の撃鉄を引く音が響く。  ああ、自分は処刑場に送られる資格すらないのだ。