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作者:竹原漢字,Macco
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-07-20(富士见书房)
价格:¥600 原版
文库:富士见Fantasia文库
丛书:気ままで可愛い病弱彼女の構いかた(1)
代购:lumagic.taobao.com
気ままで可愛い病弱彼女の構いかた 気ままで可愛い病弱彼女の構いかた 竹原漢字 富士見ファンタジア文庫 本作品の全部または一部を無断で複製、転載、配信、送信したり、ホームページ上に転載したりすることを禁止します。また、 本作品の内容は、底本発行時の取材・執筆内容に基づきます。  目次 序章 第一話 白水泊は本が好き 第二話 白水泉はよく転ぶ 第三話 病夜宮美闇は悩みを治す 終章もしくは序章その二  あとがき 『恋とは落ちるものではない。駆け上がるものだ』  というのは、何で読んだ言葉だったか。 *  校門をくぐると、風が桜の花を揺らし、視界を薄桃色に染めた。  例年になく遅くまで咲いていた桜も、もう数日で葉桜に変わるだろう。  今日は、ここ、私立朝霧橋学園の入学式だ。  とはいっても、感慨深い思いは、あまりない。中学から高校へと、通う学校が変わり、遠くなる代わりに自転車での登校が認められるようになる──そんな程度の認識でしかない。  今日も、早く帰れるのが嬉しいだけの、普通の登校日だと思っていた。  ──彼女の、姿を見かけるまでは。  校舎の入り口に向かうため角を曲がる。と、また、一陣の風が吹き抜け、薄桃色の嵐を起こした。  思わず目をつむり──  開けると、桜色のカーテンの向こうに、彼女がいた。  車椅子にちょこんと座り、手持無沙汰そうに桜の木を見上げている。誰かを待っているのか。  さして日差しの強い日ではなかったが、日傘を差していた。白い、飾り気の少ないデザインだ。  日傘が遮る柔らかな春日の下、黒髪が艶やかな光を放っている。長い。易々と車椅子の座面にまで到達しているそれは、立っていれば腰まで届く長さだろう。  滑らかな曲線を描く頰に、一房髪がかかっている。僅かに顔を伏せ、白い手でかき上げたそれを耳にかける。形のよい耳朶が露わになった。  物思うように伏せられた瞳を飾る長いまつ毛が、影を落とす。その影が、肌の白さを一層際立てた──いや。  そんな対比を必要としないくらいに、肌が白い。  生まれてこの方、日の光を浴びたことがないのではないだろうかと思うその白さは、一種の透明感さえ生み出していた。肌の下の血管が、薄く透けて見えそうだ。  この学校の制服を着ている。入学式の日にいるのだから、新入生だと思うが見覚えはなかった。違う中学だったの