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作者:,ミユキルリア
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-06-25(overlap)
价格:¥650 原版
文库:overlap文库
丛书:神話伝説の英雄の異世界譚(5)
代购:lumagic.taobao.com
神話伝説の英雄の異世界譚 5 目次 序章 第一章 炎姫の成長 第二章 炎姫の晴れ舞台 第三章 戦火の雨 第四章 炎帝の覚醒×炎姫の飛翔 第五章 黒辰王 終章 序章  床を埋め尽くすのは夥しい数の死体だった。  傷を受けた死体が横たわっている。  焼け爛れた遺体が横たわっている。  切り刻まれた骸が横たわっている。  どれも息絶えているのが一目でわかるほどに損壊していた。  ここには止めようのない血が溢れている。  真っ赤に世界を染め上げるほどの死の華が咲き乱れていた。  天井が派手な音を奏でて崩落し、砂埃を巻き上げると紅い世界を灰色に染めていく。  栄華を極め、繁栄の象徴とも言うべき玉座の間が崩れ落ちようとしていた。  異臭が漂う空間に、腐臭が支配する空気の中で、蔓延するのは死の匂いだ。  そんな地獄の様相を呈している空間の中で、瓦礫に埋もれる一人の女性がいる。  砂埃で艶を失った蒼緑の髪は真っ赤に染まり、口端からは鮮血が垂れ落ちていた。  生きているのか、死んでいるのか、生死は定かではない。  その少し離れた場所には、紅髪の少女が柱に寄りかかるようにして倒れていた。  全身に至るのは痛々しい傷。激しい戦闘を繰り広げたということだけは理解できる。  されど、そこに至るまでに何があったのかは把握することができない。  更にその最奥――この国を象徴する煌びやかな玉座には首のない死体があった。  金糸銀糸が使われた羽衣を着た死体は、この国の頂点に君臨する皇帝のものだ。  その失われた皇帝の首はある男の足下にあった。 「…………次から次へと、有象無象が、無駄ということを知らんのか」  顔を押さえながら怨嗟の言葉を吐き出す男――彼は第一皇子と呼ばれていた男だ。  そんな彼の前には柔和な顔立ちをした双黒の少年が悠然と立っている。  少年は――、 「あなたは殺そう」  ――獰猛な笑みを浮かべた。 第一章 炎姫ヴアルデイーテの成長  季節は冬――帝国暦千二十三年十二月九日。  寒々とした風が渦巻く平原。草花は枯れ果て木々を色づかせる黄金色の葉が、強風に晒されることで舞い散っては道路の上を踊っていた。  グランツ大帝国の主要道路の一つシャイン大公路――そこを村人