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作者:坂東太郎,紅緒
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-06-25(overlap)
价格:¥650 原版
文库:overlap文库
丛书:10年ごしの引きニートを辞めて外出したら(1.5)
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10年ごしの引きニートを辞めて外出したら 1 自宅ごと異世界に転移してた〈下〉 目次 序章 第1章 ユージはリア充から森の魔法使い(偽)にジョブチェンジした 第2章 ユージは森の魔法使い(偽)から求職者に進化した 第3章 ユージは求職者から開拓者になるために奮闘する 第4章 ユージは開拓団長として働きはじめる 終章 「ユージ兄、どうしよう、アリスちゃん、アリスちゃんがさらわれちゃった!」 「お、おお、落ち着いてヨーコちゃん。えっと、とりあえずこういう時は110番、いや、119番の方がいいのかな?」  混乱する二人をなだめるようにワンッと鳴くコタロー。ふたりともれいせいに、と言いたいようだ。  人里を探すべくユージ宅から西側の川に出て、川ぞいに南へと下っていたユージとヨーコ、アリス、コタロー。  川原でキャンプしようとしていたところ、二人の人物に襲われてアリスが攫われた。  陽はすでに傾き、森は薄暗くなっている。  ユージとヨーコは気が急くばかりであった。 「そうだユージ兄! コタローはアリスちゃんの匂いを追えないかな?」 「おお、さすがヨーコちゃん! コタロー、どう?」  ユージの問いかけにワンッと答えるコタロー。まかせなさい、と言わんばかりに胸を張っている。頼れる女である。犬だけど。 「ヨーコちゃん、わかるみたいだよ!」 「ユージ兄、ちょっと待って! あの二人は武器を持ってたんだから、気をつけなきゃ!」  さっそく出発しようとするユージをヨーコが止める。  もっともである。  25歳のユージは、17歳の女子高生より焦っていたようだ。  さすが10年戦士の元引きニート。  外に出られるようになり、心身が成長したといってもまだ状況判断は甘いようだ。 「そ、そっか、そうだよね」 「そうよユージ兄。それに、こういう時こそ落ち着かなきゃ! ね?」  そう言ってスッとユージの腕に手を添えるヨーコ。その手は震えていた。 「ヨーコちゃん……」 「怖いよ。怖いけど、がんばろユージ兄。私たちの義妹のために」 「そうだね、うん。よし!」  たがいを励ましながら見つめ合う二人。近い。  イチャつく二人をよそに、クンクンとあたりの匂いを嗅いでいたコタローが森の一角を見つめて一つ吠える。こっちよ、と言わんばかりに。優秀な女である。犬だけど