この素晴らしい世界に祝福を! 9 紅の宿命
この素晴らしい世界に祝福を! 9
紅の宿命
【電子特別版】
暁 なつめ
角川スニーカー文庫
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本作品の内容は、底本発行時の取材・執筆内容に基づきます。
CONTENTS
序章
第一章 この平穏な日々に喜びを!
第二章 この変わらぬ冒険者達に成長を!
第三章 この赤髪美女と一夜の夢を!
第四章 この威光なき神々に聖なる祈りを!
終章 この宿命の邪神に爆焰を!
終章1 ──あの人のために──
終章2 ──拝啓、お兄様へ──
あとがき
電子書籍特典 とあるひよこの必殺芸
電子書籍付録 キャラクター人気投票結果発表
「『エクスプロージョン』────ッッッッ!!」
腹の底に響く轟音と共に、すべてを蹂躙する爆風が荒れ狂った。
アクセルから少し離れた平原に、それは見事なクレーターが完成する。
これでまた、土木作業のおっちゃん達の仕事ができる事だろう。
ふらりと倒れためぐみんが、顔だけでこちらを見上げ尋ねてくる。
「今のは何点ですか?」
最近めぐみんから爆裂ソムリエの称号をもらった俺としては、そう簡単に甘い点数は付けたくない。
「──ふむ。破壊力だけ見れば九十点。だが、吹き荒れた爆風にいつもほどの熱が込められてはいなかった。これは暑い夏の日である事を考慮して、わざと熱エネルギーを抑えたと見ていいんだな?」
俺の問い掛けにめぐみんは、フッと口元に笑みを浮かべた。
「いかにも。ただ闇雲に威力だけを向上させてもどうかと思い、今日は爆裂魔法により涼やかな風を演出してみました。どうです? 熱くよどんだ空気を吹き飛ばす一陣の風。アクセルの夏の風物詩として名物にしても良いと思われます」
半分くらいは何を言っているのか分からないが、何となく雰囲気だけは理解した。
「オーディエンスに対するその気遣いと、美しい真円のクレーターに加点して、今日の爆裂は九十七点!」
「ありがとうございます! 精進します!」
ひとしきりアホなやり取りをした俺は倒れているめぐみんを抱き起こした。
相変わらずちっとも成長しない軽い体を慣れた手つきでおんぶする。
「いつもすいませんねえ」
「そう思うのならもっとレベルを上げて、倒