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作者:神秋昌史,Hou
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-07-02(角川书店)
价格:¥640 原版
文库:角川Sneaker文库
丛书:師匠どもに告ぐ(2)
代购:lumagic.taobao.com
師匠どもに告ぐ2 おとなになってください 師匠どもに告ぐ2 おとなになってください 神秋昌史 角川スニーカー文庫 本作品の全部または一部を無断で複製、転載、配信、送信したり、ホームページ上に転載したりすることを禁止します。また、 本作品の内容は、底本発行時の取材・執筆内容に基づきます。  目次 序章地を記す 一章洞の中に美はない 二章焦燥に勝機はない 三章根の中に道理はない 四章神の眼に平和はない 終章地に記す  あとがき  序章地を記す  圧倒的な茶色に囲まれたまま、ルーイはふらつく足を踏ん張った。  茶色。茶色。ごつごつした茶色。  見回す限り、壁も天井も、床までもがそのあざといほど有機的な色に覆われている。  よくよく目を近づけたなら、床や壁肌に薄い木目が浮かんでいるのが見えるはずだ。しかし、ルーイにそんな余裕はなかった。  今、ほんの少しでも気をゆるめたなら、最悪死ぬ。 「──セリス・フォレストランナーに告ぐ!」  視界の中に、人影はない。  遠くから「はわわ~」という悲鳴が聞こえてくる気がしたが、今はどうでもいい。  見えない場所に確実にいる彼女に対して、ルーイは声を張りあげた。 「いいかげん、逃げ回るのはやめにしたらどうです!? あなたは追い詰められている! 今のうちにそっちから出てくれば、情状酌量の余地がなくもなくもないですよ!」 「ないんじゃない!!」  怒声は、思ったよりずっと近くから聞こえた。  ひっ、とおののくルーイの前に、一人の女性が現れる──ぐねぐねと、不気味なカーブを繰り返す通路の先から、ふらりとよろめくように。  鮮やかな紅の長髪。今は薄汚れている。  ひざまである黒のマント。今は薄汚れている。  おそらく疲労が原因なのだろう、完全に目が据わっている彼女──セリス・フォレストランナーは、悪魔も背筋を伸ばしそうなほどドスの利いた声でうめいた。 「誰が逃げてるって……? 誰が追い詰められてるって? あんたこそいいかげんにしとかないと、いっぺんマジギレするわよ」 「い……今までマジギレしたことないみたいな言いぐさですけど。充分追い詰められてるじゃないですか、自慢のマント破れてますよ!」 「っさいわね! あたしのお肌が傷ついてるよかマシでしょ!」 「なんだそりゃ、乙女かアホらしい!」 「あたしはいつだって乙女よ!」