銀星みつあみ航海記 全4巻
【合本版】
銀星みつあみ航海記
全4巻
鷹見一幸
角川スニーカー文庫
目次
『銀星みつあみ航海記 LOG.00 俺らが出帆した動機』
『銀星みつあみ航海記 LOG.01 彼女が家出した動機』
『銀星みつあみ航海記 LOG.02 俺らが運ぶべき希望』
『銀星みつあみ航海記 LOG.03 僕が仲間になった理由』
銀星みつあみ航海記
LOG.00 俺らが出帆した動機
鷹見一幸
角川スニーカー文庫
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本作品の内容は、底本発行時の取材・執筆内容に基づきます。
CONTENTS
第一章 イカダ乗り
第二章 英雄の代償
第三章 いちかバチか
第四章 カウントダウン
第五章 判決
第六章 ジャンクスター
第七章 銀星号
第八章 最初の客
第九章 禍転じて……
第十章 リアンの奮闘
最終章 そして、前へ!
あとがき
宇宙空間で見る星は、叙情的に瞬いたりはしない。
漆黒の中にばら撒かれた星々は、無表情に光り続けるただの無数の光点である。
人類が、この広大な真空の空間を星の海と称し、その空間を移動する物体に『宇宙船』の名を与え、自分たちが居住する惑星以外の天体にその一歩を印したのは、今から数千年前のこと。
原始的な化学反応推進ロケットにより、宇宙に飛び出した人類は、その後さらに千年の時間をかけて、ついに恒星間旅行を可能にする跳空間航法を開発するに至った。
跳空間航法により恒星間に横たわる何十光年という距離が短縮され、意味を持たなくなったとき、人類は爆発的とも呼べる勢いで、宇宙に生存圏を広げ始めた。
宇宙とは、人類の前に広がった大いなる海であり、そこに浮かぶ星々はすべて未知なる可能性を秘めた大陸だったのだ。
そして、さらに数百年が過ぎ。
宇宙空間は、人類にとって、取り立てて語るほどのこともない、ごく普通の世界となっていた。
その、ありふれた生活の場となった宇宙空間に、薄汚れた十二匹の甲虫が浮かんでいた。
船体後部に大きな推進剤タンクのス