ミスマルカ興国物語 全14巻
【合本版】
ミスマルカ興国物語
全14巻
林 トモアキ
角川スニーカー文庫
目 次
ミスマルカ興国物語Ⅰ
ミスマルカ興国物語Ⅱ
ミスマルカ興国物語Ⅲ
ミスマルカ興国物語Ⅳ
ミスマルカ興国物語Ⅴ
ミスマルカ興国物語Ⅵ
ミスマルカ興国物語Ⅶ
ミスマルカ興国物語Ⅷ
ミスマルカ興国物語Ⅸ
ミスマルカ興国物語Ⅹ
ミスマルカ興国物語 エックス
ミスマルカ興国物語Ⅺ
ミスマルカ興国しない物語 ~ミッション・シャルロッテ~
ミスマルカ興国物語Ⅻ
ミスマルカ興国物語Ⅰ
林 トモアキ
角川スニーカー文庫
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CONTENTS
第一章 ミスマルカ第一王太子
第二章 光輝の麗姫
第三章 闇を売る少年
第四章 されど王族の心
第五章 獅子と蛇
第六章 遥か大陸を目指す
あとがき
大陸。
「王子ー」
北に人魔平等のゼピルム共和国。
「王子ーっ」
南に魔人至上主義のグランマーセナル。
「マヒロ王子、どこですかーっ?」
二つの強大国家に挟まれた中原と呼ばれる場所、小国家群に都市より小さな小国があった。後に大陸全土を震撼させたその国の名はミスマルカ。今はただ、人々が安穏と暮らすだけの小さな小さな国である。
「王子ったらーっ!」
ここはその王城。そしてさっきから王子を呼んで探し回っているこの少女は、パリエル・カーライゼルという名の、十八歳の新米近衛騎士だった。
「はあ、はあ、いない……」
城内散々走り回って汗だくになり、大声出して喉もからから。毎度毎度のことながら、どこへともなく消え失せる。
だんだんむかっ腹が立ってきて。
「さっさと出て来いアホ王子ーっ!!」
広い廊下に韻々と木霊するだけ。たまにドアが開いたと思えば、何事かと顔を出すのはまるで関係のない兵士、役人。
「はあ、はあ……こうなったら」
パリエルは今一度、大きく息を吸い込んだ。
「王子~、抱い