ここから脱出たければ恋しあえっ 全4巻
【合本版】
ここから脱出たければ恋しあえっ
全4巻
竹井10日
角川スニーカー文庫
目次
ここから脱出たければ恋しあえっ1
ここから脱出たければ恋しあえっ2
ここから脱出たければ恋しあえっ3
ここから脱出たければ恋しあえっ4
ここから脱出たければ恋しあえっ1
竹井10日
角川スニーカー文庫
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目次
序章
第0章 0日目
第1章 1日目早朝
第2章 1日目朝
第3章 1日目正午
第4章 1日目昼
第章 1日目夜
第5章 2日目朝
第6章 2日目昼
第7章 2日目深夜
第8章 3日目
第章 4日目
第9章 5日目
第10章 6日目
あとがき
少年が目覚めると、そこは、密室だった。
目の前には横たわる彼の上に馬乗りになっている半裸の少女。
ツインテールに小柄な体軀、やや目尻の上がった目つきの鋭さが強い印象を相手に与えないではいられない。
白と水色の縞々ストライプのショーツと、お揃いの柄のブラが申し訳程度に、彼女の控え目なおっぱいとお尻の膨らみを包み隠していた。
その彼女は、今にも少年の服を脱がさんと、彼のボタンに手を掛けている。
「……」
「……」
少女と少年の目が合う。
交錯する視線と視線。
薄暗がりの中の永遠とも思えるような沈黙。
嵐の前の静けさ、静中の静は真の静にあらず、映画の前の踊るカメラ人間。
そして、訪れる崩壊の時。
「ぶるぅぁああああああああああああああああああああああああああ!!」
「げほぉぅっ!!」
少年の下腹部に騎乗したまま、恥ずかしい姿を見られた下着姿の少女が顔を真っ赤にして、少年の土手っ腹にコークスクリューパンチをぶち込んだ。
少年の名は、高炎寺悠真。
少女の名は、氷藤美羽。
薄暗い密室に閉じ込められた一組の少年少女から物語は始まる。
深い闇の底から、光を求めて───。