レイセン 全8巻
【合本版】
レイセン
全8巻
林 トモアキ
角川スニーカー文庫
目 次
レイセン File1:巫女とヒキコと闇少女
レイセン File2:アタックフォース
レイセン File3:ワンサイド・ゲームズ
レイセン File4:サマーウォー
レイセン File5:キリングマシーンVS.
レイセン File6:三人きりのフォース
レイセン File7:誰も、あなたを放っておかない
レイセン File8:ポイント・オブ・ノーリターン
レイセン
File1:巫女とヒキコと闇少女
林 トモアキ
角川スニーカー文庫
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本作品の内容は、底本発行時の取材・執筆内容に基づきます。
CONTENTS
Case1:巫女とヒキコと闇少女
Case2:神霊班に住まう〝悪〟
Case3:依頼は跳ね馬に乗って
Case4:日出る国の真実
Special Case:東京ラフストーリー
あとがき
世の中がなんだかおかしいということくらい、あの頃にはみんな気付いていた。新聞、雑誌、テレビ、誰でも言っていたのだから。国が、社会が、学校が。温暖化が原因と言われる異常気象や、それだけでは説明の付かない地震の頻発。どこからおかしくなったかなんてその中に暮らしている我々には知りようのないことだとしても、気付いてはいるくらいだったのだから、本当におかしな方向へ行こうとしていた時代だったのだろう。
ひょっとしたら二十世紀に入りコンピューターがとてつもない勢いで進歩し始めたことも、携帯電話が瞬く間に世界中に普及したことも、東京湾上にメガフロント計画が着工したことも、各国で関式の実用化が始まったことも……もし、この世界の者ではない何者かがこの世界の歴史を外側から眺めたら、その誰かは不自然だと言うのかも知れない。そんなブレイクスルーはありえないと。
あの黒髪の少女は、あるゲームの一節を引用してこう言った。
「もし人類に言葉さえ無かったら。一握りの脳みそさえ無かったら、この時は来なかったに違いない」
私の最も輝