CtG ─ゼロから育てる電脳少女─ 全3巻
【合本版】
Cクレイドルt・トウー・ザG・グレイヴ ─ゼロから育てる電脳少女─
全3巻
玩具堂
角川スニーカー文庫
目次
Cクレイドルt・トウー・ザG・グレイヴ ─ゼロから育てる電脳少女─
Cクレイドルt・トウー・ザG・グレイヴ ─ゼロから育てる電脳少女─ 2
Cクレイドルt・トウー・ザG・グレイヴ ─ゼロから育てる電脳少女─ 3
Cクレイドルt・トウー・ザG・グレイヴ ─ゼロから育てる電脳少女─
玩具堂
角川スニーカー文庫
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目次
序章.
第一章.インプット
第二章.アウトプット
第三章.インタラクション
終章.
あとがき
優しい力が瓶に音を立てさせる。濁っては又澄んで来る。もう出来るのだ。小さい、可哀らしい人間が、優しい姿をして動いている。此上我々も何を望もう。
此上世界にもなんの望があろう。秘密は白日の下に曝露せられてしまった。
あの声に耳を傾けて御覧なさい。
あれが人の声になります。言語になります。
(『ファウスト』 森鷗外訳)
月が。
ふっ、と。
影に包まれた。
反射的に、跳び退る。
バックステップ。一回、二回、──
三回目の着地をする瞬前、影の主が轟音とともに舞い降りた。
衝撃。
なんとか踏み潰されずには済んだものの、巨体の落下に地面が揺らぎ、たたらを踏んでさらに後退してしまう。
舌打ちして、自分を圧殺し損ねた相手を見やる。
──全長五メートルにもなんなんとする怪鳥が、蒼白い月を背に、地べたを這い回る獲物を見下ろしていた。頭の真ん中でぐろりと光る、一つっきりの目玉で見下ろしていた。
異形。
上半身は目玉とサイズを度外視すればただの鳥なのだが、腰から下は鎧のような甲殻に覆われている。あれでは、足下への攻撃はほとんど弾かれてしまうだろう。
『空の瓦礫メガロエイヴィス』
今夜の、標的だ。
小勢で、東部の草原を歩いていると襲って