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作者:壱月龍一,裕龍ながれ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-06-17(小学馆)
价格:¥1 原版
文库:Gagaga文库
丛书:ラ·のべつまくなし(2)
代购:lumagic.taobao.com
ラ·のべつまくなし2 ブンガクくんと腐たご星 小学館eBooks〈立ち読み版〉 ラ・のべつまくなし2 ブンガクくんと腐たご星 壱月龍一 イラスト 裕龍ながれ 目次 序章 双子の星の王子さま ファイル1 嵐の予感はくしゃみから ファイル2 其の名を呼ぶ声 ファイル3 会いたく、なるひと ファイル4 愛さずにはいられない can’t help falling in love ファイル5 目には見えない、大切な── フィナーレ STAY GOLD あとがき  序章 双子の星の王子さま  人は、二度死ぬのだという人がいる。  一度めは肉体的な死を迎えたとき。二度目は、人々の記憶から忘れ去られたとき。  初出はかつての名優の言葉だと記憶しているが、定かではない。  いかにも俳優らしい言葉だと思う。作家という職業もまた然りであろう。  肉体が滅んでも、その足跡によって生きうるもうひとつの生があるという希望の言葉。  自分の生きた証を、意味を残したい──そんな欲望。  ただ私は思わずにはいられない。記憶の忘却による死は、肉体的なそれよりも先に訪れることが大半なのではないか、と。人は作家という業の深い職業にその身をやつすことで、代償として三つ目の死を課されるのだ。そう言い換えてもいい。  世間という不確かな波の上を、自分ではない、もうひとりの自分と物語が揺らぐ。  私の作家としての名が人々の記憶から完全に忘れ去られたとき、私はこの人生において肉体的なそれよりも先に最初の死を迎えるのだ。昔はそのことが肉体的な滅びよりよほど恐ろしかったのだが、おかしなことに今はそれを望んでさえいる。  自分の手で描きだした人間たちを終わらせることのできない物語に押しこめたまま、他人の記憶という外部装置によって生き長らえている鼓動を、できうるならばただ密やかに、静寂が支配する深き波間にうずめてしまいたいのだ。 ◇  星模様の細工が施された硝子ガラス製の風鈴が、季節外れの音色を奏でている。 「えー、またなんも指定も感想もなし? ほんとにやる気あんの、その作家。ちょっとプロ意識に欠けてんじゃないでしょうかぁ? それかちょっと売れちゃって調子こいてるとかさぁ」  少年と少女との端境を思わせるアルトボイスが、刺々しい不平