ガンズバースト·オンライン 2
目次
第Ⅰ章 The wind carries disorder to the town.
第Ⅱ章 Girl of fried noodles.
第Ⅲ章 Declaration of war.
第Ⅳ章 We're a gamer.
第Ⅴ章 The World Adfinity.
終章 In the future.
イラスト/我美蘭
満月の下に紅蓮の花が咲いた。
プラスチック爆弾の炎である。
吹き飛ばされたのはまだ十代の少年達だった。
人気のない裏路地に散乱する、焼け焦げて異臭を放つ手、脚、臓器。
それらの醜怪な肉片を見下ろすように佇んでいるのは黒骨。漆黒のドクロマスクで頭の天辺から首までを覆い、同色の燕尾服に身を包んだ背丈百六十センチほどの人物である。
黒き殺人者は語る。ボイスチェンジャーによっていじられた声で語る。少年が落とした携帯端末に向かって。
「はじめましてムチヨ グスト、この放送を観ている諸君。私はゲーム界の裁断者エヘクトル。彼らのようにおよそゲームプレイヤーに相応しくない行いをした者を罰する、真なるゲーマーである」
そこで行われたのは死亡遊戯デスゲームだった。
少年達はゲーセンで負けた腹いせに女の子を集団リンチにかけた。二度とゲームが出来ぬよう目をナイフで潰し、その様子を動画投稿サイトにリアルタイムで流した。悪逆非道の限りを尽くす彼らの前に、突如として現れたのは死神。放送を盛り上げる余興にとゲームを仕掛けてきた黒骨だった。何も考えず面白半分に勝負を受けた少年達は、綿で出来た尻尾を尻に取り付け、尻尾取りゲームを行った。
引き抜かれた瞬間、爆発する尻尾だとは知らずに。
黒骨は利き腕とみられる左手一本で少年達を捌き、尻尾を抜ききった。
そして、未だ動画を配信し続ける携帯端末に対し、黒骨は続ける。
「ゲームを侮辱する者、及びゲームプレイヤーらしからぬ行為を働く者に告ぐ。震えるがいい。汝らがこの世に存在し続ける限り、私は何度でも君達の前に現れるだろう」
そう告げると、殺人者は黒いドクロマークが印刷された紙を端末のカメラに貼り付けた。
動画は数十分間、このドクロマークをアップで映し続け、やがて設定していた放送時間をオーバーし強制終了される。
このような処刑動画が短期間に連発され、いつしか世間は