オーバーカマー!! 馬鹿とチートは紙一重
オーバーカマー!!
馬鹿とチートは紙一重
春日部タケル
角川スニーカー文庫
本作品の全部または一部を無断で複製、転載、配信、送信したり、ホームページ上に転載したりすることを禁止します。また、
本作品の内容は、底本発行時の取材・執筆内容に基づきます。
目次
1話 勝負の決め手はアレ
2話 綺麗な薔薇(棘+)
3話 鮮血乱れ咲き
4話 彼女の氷は砕けない
5話 はじめてのともだち
6話 確定した未来
7話 チートフルダイス
終章
あとがき
「報酬は、お前のパイオツだ」
「……はい?」
唐突な言葉に戸惑う依頼人に、レッド・フルハートは堂々と続ける。
「だからパイオツだ。抱えている問題があるなら、パイオツを揉ませてくれれば俺がバッチリ解決してやる」
「……あの……言っている意味がいまいち分からないんですが……」
依頼人の綺麗なお姉さんは、遠慮がちにレッドに視線を向けた。
「ああ、表現が少し下品だったな。パイオツとはつまり、おっぱいの事だ」
「……ええと……そういう事ではなく……あの……こちらはフルハートお悩み解決する所で……間違いありませんよね?」
「ああ。そして俺が所長のレッド・フルハートだ」
「そ、そうですよね。私、相談事があって……あ、もちろんお金は用意してきたんですけど──」
「フハハ! 金だと? そんなもんはいらん! うちはニコニコ現金払いではなく、モミモミパイオツ払いしか認めていない!!」
「……………………」
お姉さん、しばらくの間絶句。
そして──
「…………あの……私、失礼しますね」
「ちょ、ちょっと待ってくださーいっ!」
そこへ慌てて割り込んでくる人物がいた。
「レッドさん! 人がお茶淹れてる隙に何やってんですかーっ!」
白くなびく髪が印象的なその少女は、興奮気味に声を張り上げた。
「喚くなミルフィ。ただの依頼人とのコミュニケーションだ」
「いや、レッドさんのは断じてそんな上等なのじゃありませんから……」
ミルフィと呼ばれた少女は、げんなりした表情でレッドを見やる。
「では揉ミュニケーションだ」
「なんかオヤジギャグ言い出したよこの人!」
「少し黙っていろ、バストサイズ八十三女」
「ちょっ……なんで知ってるんですか!?」
「お前が寝てる間に揉んでるからな