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作者:カミツキレイニー,Nauribon
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-05-23(小学馆)
价格:¥660 原版
文库:Gagaga文库
丛书:七日の喰い神(3)
代购:lumagic.taobao.com
七日の喰い神3 小学館eBooks〈立ち読み版〉 七日の喰い神3 カミツキレイニー イラスト nauribon 目次 第一話 肥やし神 第二話 罹り神 第三話 摑み神 あとがき  亥鼻ちとせは、ラーメン店のカウンター席に座っていた。注文したラーメンが出されるのを、空腹に耐えながらじっと待つ。タイトスカートから伸びる膝小僧をぴたりと揃え、居住まいを正してスーツの前ボタンを外した。  黄色い看板の『黄金のとんこつ亭』。この店で出される麺の量は多い。ただでさえ高カロリーのラーメンに、厚切りチャーシューをトッピングとして追加してしまった。  女子として覚える罪悪感を少しでも拭うため、油でベトつくカウンターの上に、持ち込んだ烏龍ウーロン茶を用意していた。脂肪の吸収を抑えるためだ。ラーメンは食べたい、しかし太りたくはない、という乙女心のささやかな抵抗である。  カウンターの向こうで忙しなく動く店主を眺める。口をへの字に曲げた、いかにも無骨な職人かたぎの店主である。  この辺りでよく出されるのがあっさり塩味の鶏ガラスープであるのに対し、とんこつ亭で食べられるラーメンは、より日本人の好みに近づけた醤油味。そこに豚骨出汁を足した豚骨醤油味であった。ラーメンの上にこんもりとモヤシをのせ、そこに厚切りチャーシューを加えた〝豚骨醤油ラーメン〟は、この店主が試行錯誤の末に生み出した名作といわれている。  カウンター席しかない狭い店内に、BGMはない。聞こえてくるのはどんぶりが重なる音と、麺をすする音だけ。ちとせの右に座る客も、また左の客も、黙々と箸を口に運んでいる。  店内ではお静かに──そんな決まり事が課せられているわけではないが、その店は、のんびりダラダラと食事を楽しめるようにはできていない。食券を買って整列し、席が空いたら黙ってラーメンを掻き込み、速やかに外に出る。一連の流れは暗黙の了解である。ちとせも慣れない初めのうちは、客や店主の視線にびくびくしながら席に着いたものだ。  緊張感に満ちた店内での食事は、決して心安まるものではなかった。それでも行列が途絶えないのは、つまりそれだけこの店で食べられる豚骨醤油ラーメンが魅力的なのだ。  カウンターの向こうから「お客さん、どうするの?」と仏頂面した店主が尋