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作者:BONES,會川昇 , 鐘弘亜樹
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-04-28(讲谈社)
价格:¥594 原版
文库:讲谈社轻小说文库

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コンクリート·レボルティオ 超人幻想 星野輝子のキケンなお見合い! ご利用になるブラウザまたはビューワにより、表示が異なることがあります。 カバーイラスト/伊藤嘉之 仕上/岡宮志帆(Wish) 口絵イラスト/伊藤嘉之 仕上/竹澤 聡 背景/松本浩樹 本文イラスト/名護ムツキ デザイン/團 夢見(イメージジャック) ●  ●  ●  そおっとそおっと、足音を立てちゃダメ。誰にも見つからないように。  ゆっくりゆっくり、廊下を歩く。  胸がドキドキして、笑っちゃいそうになっちゃう。でも、ガマン。  壁にぴったり体をくっつけて、ドアの隣に忍び寄る。  ちょっとだけ開いたドアの向こうから、お母さんの話し声が聞こえる。お客さんとお話ししてるみたい。  ドアの隙間を覗くと、お母さんはこっちに背中を向けて座ってる。  ふふふ。大チャンス。  片方の手で自分の口をふさぐ。こうしないと、笑い声が漏れちゃいそうだもん。もう片っぽの手で、あたしは魔法の杖を握る。  お母さんの髪飾りよ、カエルさんになーれ!  お母さんの頭を見つめて、杖を振る。するとキラキラ光る髪飾りは、一匹のカエルさんに早変わり。  あたしは走る。玄関を目指して、廊下を駆け抜ける。お母さんが気付く前に、逃げなくちゃ!  夢中で脚を動かしていたら、廊下の角から誰かが出てきた。あたしは止まれなくて、どーん! と正面衝突、床に尻餅をついちゃう。 「いたた……」  お尻をさすると、白い腕が伸びてきて、あたしを起こしてくれた。 「ごめんね、大丈夫?」  あたしがぶつかったのは、輝子お姉ちゃんだった。お姉ちゃんは心配そうにあたしの顔を覗き込む。 「大丈夫!」  あたしが応えると、お姉ちゃんはほっとした顔になって言う。 「よかった。でも、どうしてそんなに急いでたの?」  お姉ちゃんが言い終わるか終わらないかのうちに、さっきの部屋から悲鳴が聞こえてきた。 「きゃーっ!」  続いて、お母さんの怒り声。 「こらーっ! ローネ!」  あたしはお姉ちゃんの手を取って走り出す。 「逃げよ! お姉ちゃん!」 「ええ~!?」  あたしたちは手を繫いで、家の外へ駆ける。  玄関を飛び出して、しばらく走り続けて。  うちの近くにあるお花畑まで来て、あたしは脚を止めた。  息が切れて、苦しい。でもそれを忘れちゃうくらい、楽しい。 「はあ、はあ……