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作者:曽我部浩人,ともぞ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-04-28(讲谈社)
价格:¥594 原版
文库:讲谈社轻小说文库

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ドラゴン·グレイヴ ご利用になるブラウザまたはビューワにより、表示が異なることがあります。 口絵・本文イラスト/ともぞ デザイン/AFTERGLOW 序章 屠竜の技 「屠竜の技──って言葉がある」  久世世之介は嚙んで含めるように話した。 「荘子とかいう古代中国の書物に記されている話で……いわゆる故事成語ってやつだな。教訓めいたことわざみたいなもんさ。その中身はこんな感じだ」  昔、一人の青年がいた。名を朱泙漫という。  彼は支離益という人物から竜を殺す術を学ぶため、千金にも値する家の財産を使い果たしてしまった。それでも、三年の月日をかけて竜殺しの技を会得する。  しかし──殺すべき竜がいなかった。  竜とは想像上の生物、この世にいるはずがない。いくら竜殺しの技を学んだところで、実在しないものは殺せない。即ち、習得した技は全くの無意味なものだった。  現在、屠竜の技はこんな意味で用いられている。 「多くの資金と時間を費やして学んでも、実際には役に立たない無駄な技術……って解釈がいいところだ。これを聞いて祖父さんはどう思う?」  話し終えた世之介は、祖父に感想を求めた。  広々とした剣道場──世之介の前には祖父の久世豪左右衛門がいる。  整えた長髪に蓄えた鬚はどちらも白。見るからに仙人といった風貌の老爺だが、立てば2mに届きそうな巨体は筋骨隆々で、腕も脚も丸太のように太い。  あぐらで座る祖父は、左手で鬚を梳いてから一言。 「馬っ鹿じゃねーの、と思う」 「おいジジイ……アンタ今、我が家の歴史を全否定したぞ?」  世之介は募る苛立ちを一瞬だけ抑えた。 「久世家は代々、久世一心流という一子相伝の剣術を伝えてきた。この流派の相伝者には成し遂げねばならない通過儀礼がある。それこそが……」  世之介は床に置いた木刀を摑むなり、片膝を立てて祖父に斬りつける。 「龍を斬ることだろうが!」  祖父もまた傍らに置いていた木刀を摑み取り、世之介の振るった木刀を眉一つ動かさずに防いだ。鋭い剣風が祖父の鬚を撫で、何本かを切り払う。 「また刃筋が研ぎ澄まされたようだな。結構結構、おまえはできた孫だのう」 「褒めたって誤魔化されねえぞ。俺はもう腹に据えかねてんだ」  木刀を打ち鳴らして、世之介と祖父は互いに後ろへと飛び退き、姿勢を整えると真っ向から切り結んでいく。