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作者:七烏未奏,早川ハルイ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-04-28(讲谈社)
价格:¥594 原版
文库:讲谈社轻小说文库
丛书:不完全魔王のチート殺し(3)
代购:lumagic.taobao.com
不完全魔王のチート殺し3 ご利用になるブラウザまたはビューワにより、表示が異なることがあります。 口絵・本文イラスト/早川ハルイ SDイラスト/桜みさき デザイン/AFTERGLOW 編集/庄司智 ■序章  一冊の本に出会った。  あれは、私がまだキャメロンの小等部に通っていた頃──五年前の話だ。  私──蒼井瑠璃梨は、街の中心部にある本屋を訪れていた。  欲しいものがあったわけではない。本を買う習慣があったわけでもない。  ただ、身体が栄養を欲するように、ミネラルが不足すれば塩気のあるものが食べたくなるように、今いる自分の外の世界を描いたなにかに、触れたいと思ったのだ。  まだ自覚は無かったけど、世界に──いや、自分に不満があったのだろう。  変えたいという意思があったから、自分の掌にはない世界を求めて、本というものを渇望してしまっていたような気がする。  だから、というわけでもないのだろう。  べつに、手に取るのはあの本ではなくても良かったわけだし、そうでない本の方が、至極当然に健全で完全に最善だった気がする。  それでも、私が手に取ったのはあの本だった。  女の人が、あられもない姿になって、縄で縛られている本。  その方法や例を記したもの。  私は、他の二冊の本でそれを挟むと、他の誰かに見られないかと気にしながらも、レジに運んだ。  そして、買った後に、ふと我に返ってこんなことを思ったのだ。  ──私は、どうしてこの本を買ってしまったのだろうか、と。  でも、その本は、私にとっての宝物となった。  つまり好きになった。  読んでいる時の高揚感とか。身体の奥が熱くなって、ジンと震える感じとか。  なによりも、なんだか息苦しさがなくなるような、そんな感じとか。  どうしてそんな風に思うのか、やっぱり自分では、よくわからないままに。  でも、確かなことがあった。  他のみんながどう思おうが、私はこの本が好きだ。