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作者:瑞浪片奈&チームビキニンジャ,わんぱく
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-05-20(小学馆)
价格:¥1 原版
文库:Gagaga文库
丛书:ビキニンジャ·ドキッ(1)
代购:lumagic.taobao.com
ビキニンジャ·ドキッ1 小学館eBooks〈立ち読み版〉 ビキニンジャ♥ドキッ1 瑞浪片奈&チームビキニンジャ 原作・イラスト わんぱく 目次 Prologue Chapter1 Chapter2 Chapter3 Chapter4 Chapter5 Chapter6 Chapter7 Epilogue  冷め切った星空の下、烈風が八尾峠に吹き荒れた。山神にも例えられるその風は、地を鳴らしながら峠を駆け下り、やがて一点で真っ二つに切り裂かれた。  そこに立つのは一人の少女。腰まであるマフラーをたなびかせ、風を正面に受けている。  猫耳状の装飾付き頭巾を被り、闇色のビキニ水着を身に着けたその姿は、ビキニンジャと呼ばれる忍者達の正装である。  彼女の名は舞岳ゆりか。美姫尼の里の若き女忍者だった。  風に散った桜の花びらが、月明かりに照らされ妖しく宙を舞う。ゆりかはそんな幻想的光景に目もくれず、腰の刀に手を伸ばし風上をじっと睨み続けている。その瞳は星空よりも冷めていた。  その日の夕方も、その場所でゆりかは立ち止まっていた。  修行を終えて家路をたどるゆりかは、いつも目印にしているひときわ大きな岩場で空を仰いだ。灰色の山肌が天を突き刺すように伸びている。最も険しいこの八尾峠を越えれば、聖地として人が踏み入ることを禁じられた樹海が広がっていた。  ゆりかの家はその中にある。深呼吸をしたゆりかは、ふと振り返った。  新緑の衣を羽織った春の峠が折り重なるように果てまで連なり、その色が遠くへ行くほど淡くなっている様が目に飛び込んできた。空にはゆりかと同じく家路に向かう太陽が、空を山吹色に染め上げていた。ゆりかは太陽を見送るまで、その景色を見続けていた。  帰宅したゆりかはお婆ちゃんと二人きりで夕飯をすませ、入浴し、床に就いた。だが疲れているにもかかわらず、なにか胸騒ぎがしてゆりかはなかなか寝付けなかった。  はじめは地震だと思った。  大きな地震が起こる前、ゆりかはいつもそれがわかった。地面が揺れる直前に頭の中でなにかが鳴り響くのだ。今日の感じもそれによく似ていた。激しくて、せっぱ詰まった感覚。違うのは地の奥深くからくるのではなく、地上、それもすぐ近くからくるものだ。