后退 返回首页
作者:三日月,Maruku
类型:少年向 日文
出版:2016-05-20(小学馆)
价格:¥615 原版
文库:Gagaga文库
丛书:さちの世界は死んでも廻る(1)
代购:lumagic.taobao.com
さちの世界は死んでも廻る 小学館eBooks さちの世界は死んでも廻る 1 三日月 イラスト maruku 目次 序章 第零章 自分のために 第一章 決戦は、金曜日 第二章 君が思い出に変わる夜 第三章 格好悪いふられ方 第四章 恋をするだけ無駄なんて 第五章 泣くも笑うも好きも嫌いも 終章 あとがき  序章  月が雲に隠れて、闇に包まれた夜のこと。  その雲もやがて、風に乗って動きはじめていた。  彼女は、男に対して激しい憎しみを感じていた。殺してやりたい。蹴り殺してやろうか、それとも殴り殺してやろうか。この男を殺すことができなければ、自分が殺されてしまう。そんなのは絶対に嫌だ。 「いくぞ、生に飢えた亡者!!」  男が叫び声を上げる。それをきっかけに攻めて来いという挑発でもあった。  彼女はそれに乗った。彼女は思う。蹴りでも、拳でもどちらでもいい。殺せればどちらでもいい……。 「やれるもんなら、やってみてよ!」  二人は、暗闇の中を磁石に引き寄せられたかのように、互いの位置を正確に把握して跳躍した。互いに、必殺の一撃を狙う。それは決して相容れないもの同士の戦いだった。  風が強くなっていく。 「……………………えっ?」 「……………………噓、だろ」  二人は同時に声を上げた。そして互いに互いを殺せる位置で、動きをピタリと止める。  月を隠した雲は、風に乗って流れた。月の光は闇を侵食する。  あたりは月の光に照らされて、二人は至近距離で互いの顔をはっきり見た。  こんなことありえない。どうして、なんでこんな巡り合わせなのか。  彼女は男を殺そうという意思を失ってしまった。  男は、なぜ自分がこんなことをしているのか、わからなくなった。  ああ、なぜこんなことになってしまったのか……。  それはどちらが思ったことか。  風は吹きつづけて、月の明かりは、また雲に遮られようとしている。  廻る世界は、ゆっくりと、ゆっくりと確実に方向を変えていく。  第零章 自分のために  暗い室内に三人の男がいる。  一人は老人。そして二人は、その年齢を足しても、老人には到底及ばない年の少年たち。 「もう一度確認するが……本当にいいんかの?」  髭をたっぷりと蓄えた老人が、二人の少年に問い掛ける。暗い中でも、鋭い眼光が二人の少年を捉え