后退 返回首页
作者:ろくごまるに
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-05-20(富士见书房)
价格:¥562 原版
文库:富士见Fantasia文库
丛书:封仙娘娘追宝録·奮闘編(4)
代购:lumagic.taobao.com
封仙娘娘追宝録·奮闘編(4) 夢の涯 封仙娘娘追宝録・奮闘編④ 夢の涯 ろくごまるに 富士見ファンタジア文庫 本作品の内容は、底本発行時の取材・執筆内容に基づきます。  目次 暁三姉妹密室盗難事件顚末 夢の涯 西の狼、東の虎 雷たちの饗宴 刀鍛冶、真淵氏の勝利  あとがき 暁三姉妹密室盗難事件顚末     一  黒い鞘に収められた刀を手に、娘は雑踏の中を駆け抜けていた。賑やかな町並みの中、無数の人々が行き交っていたが、娘は人と人の隙間をすり抜けながら疾走していく。  娘の後頭部で括られた柔らかい髪と、彼女が身につけている道服の袖が、疾走に合わせ小気味良くはためいていた。娘の瞳は鋭く研ぎ澄まされ、その瞳の上には少しばかり太めの眉毛がのっている。  雑踏を抜けると、人のざわめきの代わりに、娘の蹴り上げる砂利のザクザクという音が響いていった。  間もなく娘の行く手に一つの屋敷が現れた。大きな門は閉じられていたが、娘は走る速度を緩めはしない。そして、扉に激突する寸前に人間ならざる跳躍を行い、門を跳び越えた。  娘の心が叫ぶ。 『い、殷雷! ちょっとまずいんじゃないの。これじゃ殴り込みじゃない!』  黒い鞘の刀、殷雷刀から心を通して、答えが返る。 『かまうか、和穂。さっさと片をつける』  娘の名は和穂といった。和穂の手から弾けるように殷雷刀が離れ、途端に刀は爆煙に包まれ同時に娘の眼差しから鋭さが消え、代わりに彼女本来の温和な瞳に戻る。  爆煙の中からは一人の青年が姿を現した。  猛禽類を思わせる鋭い眼光に長い黒髪、全身を覆うのは袖付きの黒い外套だった。  大柄な男ではなかったが、その鋭い眼光とピンとした背筋が、彼を一端の武人であると物語る。青年の名は殷雷刀、刀の宝貝である。 *  宝貝。仙人が己の秘術を尽くし、造り上げた神秘の道具を宝貝と呼ぶ。ある時、一人の仙人が誤って宝貝を人間の世界にばらまいてしまった。責任を感じたその仙人は、人間の世界にこれ以上の混乱を巻き起こさない為、己の仙術を封印し宝貝回収の旅に出た。その仙人こそが和穂だったのだ。殷雷はそんな彼女に力を貸しているのであった。 *  殷雷は和穂の言葉に耳を傾けず、屋敷全体の気配を探った。建物や庭の中から