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作者:ろくごまるに
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-05-20(富士见书房)
价格:¥605 原版
文库:富士见Fantasia文库
丛书:封仙娘娘追宝録(10)
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封仙娘娘追宝録 10 天を決する大団円(上) 封仙娘娘追宝録 10 天を決する大団円(上) ろくごまるに 富士見ファンタジア文庫 本作品の内容は、底本発行時の取材・執筆内容に基づきます。  目次 序章 『終極の始まり』 第一章 『封仙娘娘降臨』 幕間 『鏡閃討伐』 第二章 『次の一手』  あとがき 序章 『終極の始まり』  赤土だけの大地と掠れた黄色の空があった。  最初から、ここに太陽は存在しない。  月も無ければ星も無い。時間ですら、別に無くてもどうにかやっていけそうであったが一応、時の流れはあった。  重要視されていないだけあり時間の仕事は、かなり適当であった。  大地には赤土の粘土で造られた色々な物があった。人の手で造られた物もあれば、やる気のない時間が適当に大地を風化させただけの代物もあったが、どれが人によって造られたかそうでないかを見分けることにさほど意味はない。 *  獄卒は赤土の上を歩いていた。  獄卒のがっしりとした体を覆うのは漆黒の鎧だった。彼は、この仰々しい鎧があまり好きではない。これが鎧姿ではなく、そういう姿をした化け物と誤解されることが多々あった。  伝統的な代物であるのは、獄卒も承知していた。鬼神を思わせる姿というべきか、鬼神の姿がこの鎧を元に考えられたのか定かではなかった。  特に、半ば鎧と一体化したように見える兜が問題だと獄卒は考えた。こちらの表情が全く相手に伝わらないし角まで生えている。  肩に担ぐ、これまた漆黒の大斧と共にあまり実務には使われない、角である。  肉体と鎧、大斧の重さを受け、耳たぶ程の柔らかさの赤土には獄卒の足跡がめり込むように刻みつけられている。  赤土には無数の足跡があった。獄卒による物とそれ以外の物。足跡以外にあるのはこれまた無数の点であった。少しの間隔を開けて連なる四つの点、その点から一つ離れて赤土に刻まれた五つめの点。五つの点の塊が足跡と共に無数に散らばっていた。  五つの点の塊は絶望と共に赤土を握り締めていた、人の手の痕である。 *  獄卒は青年に向かって挨拶をした。鬼神の鎧から響きわたるのは、気さくな口調だった。 「お爺さん、どうもこんにちは。ご気分はどうですか? まあ、そのお姿を見れば気分爽快ってわけには