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作者:ろくごまるに
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-05-20(富士见书房)
价格:¥518 原版
文库:富士见Fantasia文库
丛书:封仙娘娘追宝録(8)
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封仙娘娘追宝録 8 刃を砕く復讐者(上) 封仙娘娘追宝録 8 刃を砕く復讐者(上) ろくごまるに 富士見ファンタジア文庫 本作品の内容は、底本発行時の取材・執筆内容に基づきます。  目次 序章 『終極へ到る為の幾つかの序曲』  あとがき 序章 『終極へ到る為の幾つかの序曲』     一  封じられた。  剣に戻る事すら不可能だ。  視覚も聴覚も触覚も嗅覚も味覚も機能しない。  両方の手首に食らいつく手枷のせいで、力が入らない。いかに踏ん張ろうと、手枷から己の力が抜けていく。  自らが置かれた状況を分析しつつ、封じられた轟武剣は吠えた。  聴覚は作動していない。  己の吠え声を、音ではなく肉を伝わる振動として轟武は感じとった。 『忌ま忌ましい忌ま忌ましい』  触覚が消滅している今、手首に痛みはなく只痺れがあった。  どんな激痛よりもたちの悪い痺れだ。  痛みは己の状態を教えてくれるが痺れはなにも語らない。  指が全て切り落とされていても、今の自分には判りもしないのだ。  触覚はなくとも自分の態勢だけは判った。  膝立ちになり、両手を高くかかげている。  恐らく手枷から伸びる鎖が天井にでも突き刺さっているのだろう。  中途半端な宙吊り状態だ。  脱力した首のせいで頭は前に垂れ下がり、舌もだらりと同じように垂れ下がっている。  ズキリズキリと轟武の胸の古傷が痛んだ。  皮膚からではない筋肉の内側からの痛みは、触覚のない今でも感じ取れた。  剣の宝貝の再生能力があれば、時間がかかったとしても古傷が残りはしない。  が、轟武は遠い昔に受けたこの傷を、屈辱の証として再生しないでいた。  傷は盛り上がり古傷となっていた。  五感を封じられた今、痺れた暗闇の中で古傷の痛みが、より一層際立つ。  激痛の脈動に合わせ、轟武の意識の中で一体の宝貝の姿が焦点を結ぶ。 『殷雷刀!』  轟武の胸の傷は刀傷であった。  彼と同じ武器の宝貝である殷雷刀。  胸の傷は殷雷刀によってつけられた傷痕であった。  どくりどくりと胸の鼓動に合わせて、殷雷刀の姿が明滅する。 『殷雷刀! 貴様に受けたこの屈辱、決して忘れはせぬぞ!  誓う、誓ってやるぞ。貴