后退 返回首页
作者:ろくごまるに
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-05-20(富士见书房)
价格:¥1 原版
文库:富士见Fantasia文库
丛书:封仙娘娘追宝録(4)
代购:lumagic.taobao.com
封仙娘娘追宝録 4 夢をまどわす頑固者 封仙娘娘追宝録 4 夢をまどわす頑固者 ろくごまるに 富士見ファンタジア文庫 本作品の内容は、底本発行時の取材・執筆内容に基づきます。  目次 序章 『星たちの集う地へ』 第一章 『程穫、和穂』 第二章 『仙界から和穂を追って来たもの』 第三章 『矛と楯』 終章  あとがき 序章 『星たちの集う地へ』     一  漆黒の闇の中、数十の星たちが光り輝いていた。  まんべんなく、散らばっているのならば不思議でもなかったが、星たちは天の片隅に寄り集まるようにして、光を放っていた。  ありえそうにない光景に、和穂は軽く首を傾げた。  そして、今まで閉じていたまぶたを、ゆっくりと開いた。  まぶたの裏の漆黒の闇は消え、まぶたの中で光っていた星たちは、彼女の細い指が耳飾りから離れると、軽い残像を残して姿を消した。  星に代わって、和穂の目に映ったのは一人の青年だった。  和穂の向かい側に座っている青年は、彼女の不可解な表情に気がつきもせず、夕食をとり続けていた。 「親父、酒の追加だ。あ? 透き通ってても濁っててもどっちでもいい」  青年の名は殷雷という。  男にしては長い髪を後頭部で束ねている。  体には、袖付きの黒い外套を羽織っていたが、赤々と燃える蠟燭の前では、少しばかり茶色めいて見えた。  彼の武器である棍はいざという時の為に卓に立て掛けられている。  十五歳の和穂と比べても、身長は頭一つ高いぐらいで、歳もそれほどは離れていないように見えた。  だが、彼は、見た目どおりのものではなかった。  彼は人ではない。 「おう、来たぞ来たぞ、酒が来た。そっちの徳利は空だから持ってってくれ」  殷雷の正体は刀である。  人の姿をした刀は、徳利から自分の湯飲みに、とぷとぷと酒を注ぎ、目の前の魚の粗炊きに、再び挑みかかった。  いつもなら敵に向けられる、鷹を思わせる眼光は、今は魚の小骨に向けられている。  敵を追い詰め、刹那の駆け引きに光る目で小骨を見つめ、繊細な箸さばきで、薄めの醬油で煮られた白身をこそぎ落とし口に運ぶ。  和穂は殷雷に言った。 「ねえ、私の事なんか気にしないで、一気に骨にむしゃぶりついたら