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作者:ろくごまるに
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-05-20(富士见书房)
价格:¥562 原版
文库:富士见Fantasia文库
丛书:封仙娘娘追宝録(5)
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封仙娘娘追宝録 5 黒い炎の挑戦者 封仙娘娘追宝録 5 黒い炎の挑戦者 ろくごまるに 富士見ファンタジア文庫 本作品の内容は、底本発行時の取材・執筆内容に基づきます。  目次 序章 『放たれた、矢』 第一章 『あなたを、守りたい』 第二章 『綜現の正体』 終章  あとがき 序章 『放たれた、矢』     一  復讐の時は来た。  ついに、あの憎き栄秋をこの手で葬り去れるのだ。  満天の星たちに照らされ、弾勁は少しばかり瘦せこけた口許をほころばせた。  口許を歪めると、治りかけの切れた唇がキリキリと痛む。  痛みが弾勁の怒りを一層にかき立てた。 「栄秋! あの腐れババァめ!」  弾勁が栄秋の命を狙うのは、今夜が初めてではない。  この間の襲撃は、運悪く栄秋の護衛たちに感づかれ、捕まり、どつき倒された。  不思議と弾勁は、護衛に恨みを感じなかった。  護衛も仕事なのだ。俺が抵抗するのをやめなかったのだから、殴り倒されても仕方がなかったと弾勁は考えた。  その証拠に意識がぼやけ、反抗が出来ないと見ると、護衛たちは、さっさと縄でふんじばって、それ以上は腕力に訴えようとはしなかった。  が、栄秋は、縄でグルグル巻きにされ弾勁の身動きがとれないのを確めてから、彼の顔面を蹴った。  蹴られた屈辱などという、甘っちょろい話ではない。  とても八十を超えた老婆とは思えないような、完璧な回し蹴りだった。  堂にいった、『きしゃあ!』という掛け声と共に、鞭のようにしなった足の甲が顔面を蹴り抜いた。  弾勁の目は確かに見た。栄秋の軸足は、全くふらついていなかったのだ。  足の甲と、犬歯に挟まれた彼の唇は、見事に切れたのだ。  襲撃のときを待ちながら、三針ほど縫った唇に手を添えると、痛みと憎しみが混ざり合い叫びとなった。 「殺してくれるぞ栄秋め!」  弾勁は杉林の中に、たくみに体を隠している。  耳を澄ませば、街中の喧騒が聞こえてきそうな程、杉林は街に近かった。  星と月と街の明かりが、杉林の中を照らしている。  林の中の一本道を、栄秋がやって来るはずだった。  もちろん護衛もついているだろう。  だが、今度は、前のように失敗はしない。今夜は