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作者:岡沢六十四,アジシオ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-04-29(Hobby Japan)
价格:¥535 原版
文库:HJ文库

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亡国王の剣とスパイヒップ 目次 序章 ファイル1 スパイ学校『ラーゲリ』 ファイル2 機甲人間『ガルガンチュア』 差し込みファイル ファイル3 変身『スキン・ウォーカー』 ファイル4 日継ぎの剣『ヒツギ=ツルギ』 終章 あとがき 序章  人は誰でも、後の一生に影響を与える重大な経験をすることがあるという。  彼――、ツルギにもそんな経験があったとすれば。  それは十三歳の時に起きた、父親との死別になるだろう。 * * *  詰めかける群衆の中心で、ツルギは数週間ぶりに父親の姿を見つけた。  父親は、鎖に繋がれて刑場に引きずり出される真っ只中だった。 「皇王に死を!」 「『平等』を踏みにじる皇族階級を抹殺しろ!」 「人は生まれながらに『平等』なんだ! 人の上に立つ王なんかいらないんだ!」 「ミタマシロを滅ぼせ! 『平等』な世界を作り出せ!」  群衆は全員、処刑を見物するために集まった人々。  そしてその中にツルギも紛れ込んでいた。  父親の下に駆け寄ることはできなかった。大声で父の名を呼ぶこともできなかった。  そんなことをすれば、その瞬間、ツルギもまた捕えられ、忌まわしき皇族の一人として処刑される。  ツルギの父が、ツルギの存在を隠した処置が、すべて無駄になってしまう。  やがてツルギの父は――皇王は、自身の終点である処刑台へと到着した。  その隣に立つ、処刑執行人らしき男が勇ましく言い放つ。 「同志諸君! 革命は成った!」  群衆たちが狂気を孕んだ歓声で応える。 「これを見よ! 傲岸不遜にも皇王を名乗り、我々平等民を見下してきた男が、今や惨めに跪いている!!」  処刑執行人は奇妙なことに、その体の右腕、肘から先が剣になっていて、つまり体から直接剣が伸びていた。  剣の切っ先が、王を指し示す。 「人は生まれながらにして『平等』なのである! 差別などあってはならぬのである! なのにこの愚かな男は、皇王の血筋に生まれたというだけで自分が特別だと勘違いし、我々を見下してきた。この傲慢に天罰を!」 「そうだ!」「殺せ! その罪深い男を殺せ!」「私たちはアンタの家畜じゃないわ!」  群衆たちから罵詈雑言が沸き起こる。  それらは処刑台にいる一人の男へ向