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作者:川田戯曲,ファルまろ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-04-02(讲谈社)
价格:¥594 原版
文库:讲谈社轻小说文库
丛书:アフターブラック(2)
代购:lumagic.taobao.com
アフターブラック2 ご利用になるブラウザまたはビューワにより、表示が異なることがあります。 口絵・本文イラスト/ファルまろ デザイン/百足屋ユウコ+モンマ蚕(ムシカゴグラフィクス) 編集/庄司智  家族とはなんだろうか。  簡単な定義付けとしては、血縁関係があったら、それは家族なのだろう。血の繫がり。遺伝子の繫がり。普段生きてる上ではあまり意識しないけれど、それがあれば家族だ。  でも、じゃあ──。 『あの子の母親になれて良かったと、今でも思ってるよ』  血の繫がりがない幽花と彼女は、家族ではなかったのだろうか。  そりゃあ事実だけ言ってしまえば、他人が他人を預かり、育てただけだ。あまりしたくもない『もしも』の話だけど、彼女じゃなくても幽花を育てることはできたんだろう。  ……ただ、それでも。  幽花の隣に彼女がいた事実は、変わらない。  家族を失った幽花にそっと寄り添い、支え、親の代わりを務めた。例え他人だとしても。代替だとしても。偽物だとしても。その真実だけは、幽花の心に在り続けるだろう。  本物じゃなくても、きっと親にはなれる。  結局は意識の問題なんだ。親であろうとしたか。親として慕ったのか。そこに血縁的繫がりはいらない。ただお互いに、その手を差し出し──差し出された手を握り返すことが、大切なのだと思う。他人同士で心の手を繫ぐことが、家族になるための最初だと思うんだ。  ──だから、俺は願う。 「さ、パパ! 早くおうちに帰ろ!」  俺が名付けた彼女と、そうなれる未来を。  サキュバスの娘、リズベラ。美しいピンク色の髪をした、可愛らしい悪魔の子。  偽物でいい。代替だっていい。それでも、俺は──。  彼女の父親になることを、選んだんだから。 「ん、そうだな……今日は特に用事もないし、さっさと帰るか」