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作者:おかざき登,U35
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-03-25(集英社)
价格:¥648 原版
文库:DashX文库
丛书:都市伝説系彼女。(1)
代购:lumagic.taobao.com
都市伝説系彼女。~永遠子さん救済倶楽部~ この本は縦書きでレイアウトされています。 もくじ 序章 第一話 カシマさんが奪うモノ 第二話 メリーさんの長電話 第三話 ひとりコックリさん 第四話 倉庫の声 第五話 凍える五人目 終章 ダッシュエックス文庫DIGITAL 都市伝説系彼女。 ~永遠子さん救済倶楽部~ おかざき登 序章  学校の前庭に桜の木を植える意義はなんだろう。  桜といえば、卒業や入学の象徴だ。しかし、本州のかなり北の方に位置するこの高校では、例年、卒業式はもちろん、入学式――つまり、今日にも、満開は間に合わない。  事実、僕が今見上げている桜も、贔屓目で見ても五分咲きがいいところだった。  だったら、もう少し早く咲く木を植えればいいのに。  桜にこだわらなくても、卒業式か入学式を満開で彩ってくれた方がいいだろうに。  間に合わない桜だって立つ瀬がないし、その方が合理的だ。  でも――、  桜に目が行かなかったのはそのせいだ、と言うつもりはない。  僕が、彼女の長い黒髪に目を奪われてしまったのは。  一歩ごとに揺れる髪が、春の陽を受けて、まるで宝石を撒き散らしているようにキラキラと輝いている。  仮に桜がベストコンディションで満開だったとしても、きっと、結果は変わらなかったはずだ。  むしろ、降るように舞い散る花びらに彩られて、周囲の桜色に映えて、彼女の黒髪はもっともっと強烈に僕の目を惹きつけたことだろう。  だから、彼女を見ていたから、気がついた。  彼女のカバンから、銀色に光る何かがぽとりと落ちたことに。 「あ」  しかし、彼女はそれに気づかず、なぜか校舎の裏手へと向かってどんどん進んでいく。 「ちょっと、君!」  名前も知らない彼女に、僕はそう声をかけた。  それでも、彼女は振り向いてもくれない。  ああ、もう!  僕は眼鏡の位置を直しつつ、落ちた何かへ歩み寄って、それ――キーホルダーか何かだろうか? それにしては精巧な模様が彫り込まれた、銀色の小さな十字架だった――を拾い上げた。  そして、彼女の背中を追いかけた。 「ねえ、君! ちょっと待って!」  それでも反応がないので、やむを得ずに「ねえ