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作者:柳野かなた,輪くすさが
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-03-25(overlap)
价格:¥767 原版
文库:overlap文库
丛书:最果てのパラディン(1)
代购:lumagic.taobao.com
最果てのパラディンI 死者の街の少年 目次 序章 一章 二章 三章 四章 終章 番外編:夢の積み木 ◆ 「うぁ……」  曖昧で混濁した記憶から目覚めた。  薄暗い天井が見え……そして、ぬっと、僕の眼前にドクロがあらわれた。  虚ろな眼窩に青い鬼火を宿した骸骨スケルトンが、かたかたと顎の骨を鳴らしながらゆっくりと僕に手を伸ばしてくる。 「……っ!?」  僕は悲鳴をあげた。思わずあげた悲鳴は、妙に甲高いものだった。  まるで幼い子供のような、と思ったところで、僕ははっと違和感に気づく。  とっさに振り回した手が、異様に小さく、短い。ふっくらとして短く、小さな手……赤ん坊、幼子の手だ。  って、いやそれよりもドクロだ。そしてここはどこだ。何が起こったんだ。  パニック気味の思考があちこちに跳ねまわって落ち着かない。  とにかくいったん、冷静になろうとしてみる。冷静に、落ち着いて、状況を観察―― 「■■■■……」  ドクロが僕のことを、骨ばかりの指でつるりと撫でた。 「うぁああぁぁ……っ!?」  こんな状況で冷静になれるかっ!! と僕は内心で悪態をつきつつ更にじたばたした。  動くガイコツである。お化けである。怪異である。超常現象だ。  突然こんなものに遭遇したら、誰だって恐怖する。僕だってそうだ。  しかも僕はなぜだか小さく、幼くなっているようなのだ。曖昧だけれど記憶の中の僕は、上背はそこそこあって、ひょろりとした痩せ型だったように思う。  けれど記憶と、今の体の感覚がまったく嚙み合わない。  成人してから、子供の頃の三輪車に跨ったような感覚を、更にひどくしたような。 「■■■■……」  ガイコツは困ったように、片腕で僕を抱きよせ、リズムよく揺さぶりだした。  僕がどんなに腕の中でもがいても、延々と根気強く、揺さぶる。 「ぁ……」  それでやっと、気づいた。  ガイコツが僕を揺さぶる動作は、不器用だけれど、とてもやさしい。  どうにも不慣れで荒っぽいし、腕も骨ばっていて心地よくはないけれど……僕をどう取って食おうか思案をしているのでは、ない、ようだ。多分。もちろんドクロを眺めてその顔色が読めるほどの洞察力はないので、断言はできないし完全には気を許せないけれど。  でも