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作者:,ミユキルリア
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-03-25(overlap)
价格:¥680 原版
文库:overlap文库
丛书:神話伝説の英雄の異世界譚(4)
代购:lumagic.taobao.com
神話伝説の英雄の異世界譚 4 目次 序章 第一章 波乱の幕開け 第二章 囚われの炎帝と軍神の進撃 第三章 炎帝と氷帝の邂逅 第四章 軍神の怒り 第五章 天帝と氷帝 終章 序章  その戦場は夥しい死体で一面が覆い尽くされていた。  木々は焼け焦げて黒煙が晴天を塗り潰し、燻り続ける鉄錆の匂いが充満している。 「ハァァァ!」  そんな地獄の様相を呈している戦場で、紅髪の少女が美しく舞っていた。  空気に混じる死臭を散らしながら、悪夢とも言うべき情景を斬るように踊っている。  その度に絶叫が、怒号が、様々な怨嗟が生み出されていった。  しかし、どれだけの敵兵を斬り捨てても、どれだけの死体の山を築き上げたとしても。  ――この絶望的な状況は変わらない。  少女は荒々しい息を吐き出すと、燃え盛る紅剣を地面に突き刺した。 「……四面楚歌ってこういうことなのかな」  周囲に視線を巡らせども味方の姿は一人も見当たらない。  既に逃げ道は塞がれている。最後まで付き従ってくれた兵士たちも息絶えた。  体力も残り僅かとなれば、もはや少女が包囲を突破することは叶わないだろう。  血煙が視界を悪くする中、空を見上げた少女は顔を引き締めた。 「でも、会うって約束したもの。簡単に諦めるわけにはいかないわ」  双黒の少年との約束を思い出した少女は再び紅剣の柄を握り締めた。  成長した自分を見せると、必ず再会するのだと、約束したのだ。  ――ならば膝を屈するわけにはいかない。  自身を取り囲んでくる敵兵を威嚇するように、少女は切っ先を横に振る。 「さあ、かかってきなさい。あたしはこんな所で死なないわ」  腕が千切れてしまおうが、足を失おうが、きっと辿り着いて見せる。  双黒の少年が待つ場所へ、彼の笑顔をもう一度見るために。  少女は強く、強く、剣を掲げて敵兵に立ち向かう。 「大丈夫だから、あたしはこんな所では終わらない!」  脳裏にちらつく少年に微笑んだ少女は駆け出す。  槍の穂先が視界を埋め尽くすその場所へ。その先にいる少年の下に走り抜けるように。  紅瞳に確かな決意を宿して、少女は殺到する敵集団の中へ大胆に斬り込んでいった。  狙いを定める必要はなく、目を閉じていたとしても斬撃を放てば当