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作者:樋辻臥命,Himesuz
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-02-25(overlap)
价格:¥702 原版
文库:overlap文库
丛书:異世界魔法は遅れてる!(6)
代购:lumagic.taobao.com
異世界魔法は遅れてる!6 目次 序章 あの追憶 第一章 月下龍人 第二章 英雄の武器を求めて 第三章 新たなる敵たち 終章Ⅰ 終章Ⅱ イラスト/himesuz 序章 あの追憶 「――竜種ドラゴン、ですか?」  とある日の夜。現代魔スペリオル・術師ウイザードである八鍵水明は、父、八鍵風光の口からそんな有名な幻想生物の名を耳にした。  ――竜種。幻想小説の溢れる現代では、爬虫類の身体と翼を持ち、口から毒や火を吐く怪物モンスターとしてその名を広く知られている生き物だ。  東洋では龍として善の象徴と目されるが、西洋においては悪魔――悪性を持つ精霊の化身と見做され、神や天使などにより退治される『悪』としての役割を担っている。  そんな竜のイメージの大元は、爬虫類の身体からわかる通り蛇だ。世に言う聖書では蛇は悪とされ、アダムとイブを唆したものとして罪の象徴にもなっている。  これは古い時代、聖書を規範とする宗教が、古エジプトや土着の宗教など蛇を信仰する宗教と敵対してきた結果であり、蛇=悪魔という考えが多く西洋圏に広まったせいである。  そのため、古の時代から竜は人間の敵として描かれ、悪とされてきたのだ。  ……水明の聞き返しは、やにわに耳に飛び込んできた「お前は竜種を知っているか?」という父の問いがあったからだ。無論、水明には父ほどの深い知識などあるはずもなく、ソファの上で頭を振るしかなかった。 「竜種は、歴史書や文献には形跡を残すが、その存在は認められていない。そして、我ら魔術師の中でも、その存在は秘匿されている」 「秘匿されている……?」 「と、いうことはだ」  婉曲な言い回しに眉を寄せた水明に、救いの手を差し伸べるかのように、安楽椅子の肘掛けを指で叩く風光。 「実際は存在する、ということですか?」 「もう過去の話だがな」  そう口にした父は、やはりベランダから見える曇った空を眺めるばかり。彼の話の続きを待っていると、ふと、父の視線が水明を射抜く。 「水明、コーヒーを淹れてくれ」 「こんな話の途中で?」 「飲みたくなったんだ。仕方ないだろう。息子にコーヒーを淹れさせるのは親の特権だ」 「どんな特権だよ。……インスタントでいいですか?」 「構わない。だが……」 「ブラックですね。わかっ