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作者:真野貴人,しろすず
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-02-20(一迅社)
价格:¥689 原版
文库:一迅社文库

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シンデレラ·ダービー 騎士姫は最速タイムを叩き出す 挿画:しろすず デザイン:高橋忠彦(KOMEWORKS) 1 ブレイズ・オボロマルディの再起  シンデレラになりたい、という少女の夢を叶えるスポーツ。  それがシンデレラ・レースである。  テレビカメラは堅牢な城壁を映し出していた。  ウェンツワルド城遺構と呼ばれる歴史遺産である。アッシェンブルクの中心市街地を厚く囲い、千年以上にわたって侵略者の手から国民を守り続けてきた王国の至宝だ。積まれている石は大きさも色合いも異なり、見た目に美しいとは言えないが、その不統一さ、無骨さがかえって歴史の重みを無言のうちに示している。  その石壁が、テレビ映像の中で震え出した。  はじめは遠くの地震のように小さく。ほどなくして豪快に揺れ出して――  爆裂した。  内側で爆弾が炸裂したかのように城壁が裂け、破片が飛び散り、粉塵が立ちのぼった。  その中から飛び出してきたのはカボチャの馬車だった。 『ああーーっと! 一番手で飛び出してきたのはメイリン選手だァーーッ!』  実況アナウンサーの絶叫が轟く中、映像がドローンのカメラに切り替わる。  至近距離を飛ぶドローンが、馬にまたがるシンデレラの女性、メイリン選手を映し出した。白を基調としたドレスをまとい、両手に長大なドリルランスを一本ずつ抱えている。  城壁を破砕した二本のドリルはその役目を終え、回転を止めた。ドリル全体が光を放って収縮、一瞬のうちにごく短い魔法の杖に姿を変える。長さ十五センチにも満たない、携帯性を最重視したサイズだ。 「せっ!」  メイリンは馬の背を蹴り、後方へジャンプ。御者席の御者をくるりと飛び越え、カボチャの馬車へ着地した。  馬が引く馬車は、巨大なカボチャを横一文字に両断、皿状にして外側に車輪をつけたものだ。その内側には椅子も何も設置されておらず、シンデレラが立ち回るスペースとなっている。  メイリンが馬車に戻ったのを確認してから、御者は加速を開始した。馬車の速度は平均四十キロ。通常の馬車よりはるかに速く、最高速度は六十キロを越えることもある。  高速で駆け抜ける馬車に立ちながら、メイリンは進行方向に背を向け、自らが粉砕して開けた城壁の穴を凝視する。  城壁の大穴から、またもカボチャの馬車が飛び出してきた。 『二番