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作者:北山結莉,Riv
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-03-02(Hobby Japan)
价格:¥710 原版
文库:HJ文库
丛书:精霊幻想記(3)
代购:lumagic.taobao.com
精霊幻想記 3.決別の鎮魂歌 目次 序章 両親の手がかり 第一章 村での生活 第二章 過ぎゆく村での日々 第三章 波乱 第四章 決別 第五章 王都へ 第六章 王都へ、再び 第七章 村へ 第八章 意外な来訪者 第九章 別れの予兆 第十章 決意の旅立ち 終章 こんな世界で あとがき 序章 両親の手がかり  リオは精霊の民の里を出発すると、一週間足らずでヤグモ地方にたどり着いた。徒歩で移動しようものなら精霊術で身体強化を施しても二、三カ月はかかる過酷な道のりだが、里で風の精霊術による飛行術を学んだおかげだ。  そんなわけで、里からヤグモ地方までの旅路は難なく乗り越えることができたのだが、本当に難儀なのはここからだった。  亡き両親を故郷の土で弔うためにヤグモ地方を訪れてみたはいいものの、リオは二人の具体的な出生地を特定する情報をほとんど持ち合わせていないからだ。情報らしい情報といえば両親の名前くらい。  一口にヤグモ地方といっても大小三十以上もの国々が存在しているのだから、そんな状況で具体的な出生地を特定しようなど、気が遠くなるような話だった。  だが、リオはそれでも少しもめげず、目的を達成するべく行動を開始する。  ヤグモ地方の西方に存在する各国の都市や村を文字通り順番に飛んで回ると、両親の名前を知る者がいないか聞き込み調査を開始したのだ。  とはいえ、気概と行動力だけでそう上手く事が運ぶわけもなく――。  何の情報も掴めないまま、数カ月が経過する。  現在、リオはヤグモ地方の中でも、西寄りに位置するカラスキ王国という大国を訪れていた。既にいくつかの都市と村を訪問しており、今は次の村へ向かって移動しているところである。リオが風の精霊術で飛行していると――、 (……あの村か)  視界の彼方に目当ての村が小さく映ってきた。遠目から俯瞰したところ、村の東西に街道が延びており、北側には小高い丘が、南側には木々の茂った山がそびえている。  どこにでもありそうな牧歌的な村だ。村の中心部には居住区域があり、木材、石灰、粘土等で作られた素朴な家屋が建ち並んでいる。それらの数からして、人口は三百人程度といったところか。周囲には田園や放牧地帯があり、作業している人々の姿が見える。 (村長のユバって人が、こ