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作者:望月充っ,中原
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-02-25(集英社)
价格:¥648 原版
文库:DashX文库

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ボディガードな彼女いわく、サディスティック日和にて。 この本は縦書きでレイアウトされています。 目次 第1話 『立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花。 笑えば黒薔薇、触れれば茨、服用効果はトリカブト。』 第2話 『暗殺者は仮面を被り、ボディガードは猫を被り、 俺はただひたすらに泥を被り続けるという不運。』 第3話 『もしもトリニダード・スコーピオン・ブッチ・テイラーと キャロライナ・リーパーを活用したパンジステークを作ったら。』 第4話 『雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモ マケヌ 丈夫ナSッ気ヲモチ 慾深ク 決シテ護ラズ イツモシヅカニワラッテヰル サウイフボディガードヲ ワタシハ シッテヰル。』 ダッシュエックス文庫DIGITAL ボディガードな彼女いわく、サディスティック日和にて。 望月 充っ  俺は『斗南の一人』、つまりは天下に並ぶ者がいないほど、破滅的に、神憑って、とことん運が悪い。  こんなことを言うと、世間をやぶ睨みするような根暗が、ネガティブな思考に取り憑かれているだけだと思われるかもしれない。けれど、信じてほしい。世界には幸運の女神様が敢えて目を背ける、手鏡に映った目尻の皺じみた存在がいるんだってことを。  実例を挙げてみよう。あれは一カ月ほど前、俺が搭乗していた飛行機で起こった出来事だ。  遠方の親戚の葬儀のため、十五になって初めて飛行機に乗る機会を得た俺は、恥ずかしながらけっこう興奮していた。離陸の際の加速Gに肝を冷やし、見渡す限りの雲海に阿呆のように口を開け、人知れずUFO探しを続けること小一時間。ようやく気持ちが落ち着いてきた俺は、自分がけっこうな尿意を催していることにふと気づいた。  一分一秒を争うような事態。俺はトイレに駆け込むため、両膝に力を込めて立ち上がろうとしたが、問題はまさにその時に起こった。若くて綺麗なCAキヤビンアテンダントが、深刻な表情で通路に立ち、客席を見渡しながらこう言ったんだ。 「急患が出ました。お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか? お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんでしょうか?」  俺は空気椅子状態で、ピタリと動きを止めた。  立てるわけがない。  この状況で立てるわけがな