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作者:大桑康博,テルミン
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-02-25(集英社)
价格:¥648 原版
文库:DashX文库

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呪術法律家 ミカヤ この本は縦書きでレイアウトされています。 CONTENTS 序 章 第一章 「沙漠の炎」 第二章 「日の当たる窓際で」 第三章 「調査開始」 第四章 「第二公判」 第五章 「死の精霊」 第六章 「地獄の法廷」 終章 「陽射しが一線、雲が二つ」 ダッシュエックス文庫DIGITAL 呪術法律家 ミカヤ 大桑康博 序章  赤い絨毯の上に、男が立っている。  間もなく殺される運命線上を歩んでおり、そして大抵の殺される男と同様にそのことに全く気がついていない。  サラサンテは大学での講義という退屈な仕事をした後で、また退屈な男と会わねばならない己の身を嘆いていた。  サラサンテは広間の隅に置かれた、ミスリル銀製の箱を見る。  魔道具ギルド製品であることを示す、二頭の虎が絡み合う装飾がされた直方体の大きな銀色の箱は今にも天井に頭がつきそうな高さであり、触れると冬の水のように冷えきっている。 〝精霊殺しの箱〟ですよ、とこれを取り付けた業者は言った。ミスリル銀製の優れものだ! あんたは運がいいね、この月だけ二割引きだ。  人が五人入るのに十分な大きさで、いかにも頑丈そうだ。矢でも石弓でも火炎の鳥でも持ってこい。分厚いミスリル銀の壁の前に立つ。  仕事柄、サラサンテは身の危険を感じることが多い。冤罪被害の会だとか、元受刑者の人権を守るだとか、そういうことをしているので、罪人と接することが多いし、恨みを買うこともある。 〝精霊殺しの箱〟。ミスリル銀の防護壁だ。万一の時のための避難所として、貴族の間で流行している。  広間の隅の一角に置かれた大型のミスリル銀の箱は、私が中に入ると自動的に扉が閉められる仕組みになっている。なんせ、十五式以下の呪術であれば全部弾いてくれるというのだから、まさに精霊殺しだ。最も私の古い友達には、こいつを壊せそうな奴がいるのだが……。  こいつに頼ることになるのだろうか。さもありなん。人間、一皮剝けばただの獣だ。これからくる客人がどういう態度に出るかなど、運命神にもわからんさ。  扉がノックされた。 「旦那様、カヴァ茶を二つでよろしかったですね?」  使用人のラッテンバーグが、皿の上にカラダン玉を使った高