英雄教室 4
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CONTENTS
第一章
「ローズウッド学園の騒動」
第一話 「生徒会長選挙」
第二話 「お色気の目覚め」
第三話 「勇者王登場」
第四話 「ブレイドの休日」
第五話 「カツカレー最後の日」
第二章
「ソフィ」
ダッシュエックス文庫DIGITAL
英雄教室4
新木 伸
第一章「ローズウッド学園の騒動」
第一話「生徒会長選挙」
○SCENE・Ⅰ「国王の寝室」
こんこん。手首を返して、学園長室のドアをノックする。
数秒待ってから、またもういちど――。
こんこん。
返事はない。
アーネストは、深く大きく息を吸ってから――。
「国王陛下。――アーネスト・フレイミングです」
やっぱり返事はない。
「はぁ」
大きく、ため息をついてから、ドアノブに手をかける。
「入ります。入ります……。入りますよー……?」
前に一度入ったことのある国王陛下の寝室に、そろりと、アーネストは頭の先から入っていった。
前のときと同じように、陛下の姿は、広い正方形のベッドの上で見つかった。ぐーぐーと寝息を立てて、大の字になって、本当に無警戒に寝ている。
「陛下。国王陛下」
まずは近づく前に声をかけてみる。
ぐー、ごー。
ずいぶん乱れたシーツの上で、裸の野獣――もとい、男性は、のんきにイビキをかいている。
「陛下。国王陛下」
もう一歩ほど近づいて、声をかける。
セイレーン女史から許可はもらってある。
容赦なく叩き起こしていいと言われている。
ちょっと楽しみ。
アーネストは伸ばした指先で、顎髭の上のほっぺを、つんつんとやった。
「う~ん……、むにゃむにゃ……、セイレーン……、やめたまえよ……」
完全に勘違いしている。
おもしろくなってきて、もっと、つんつんとやった。容赦なく、つんつんと、つっついた。
問題ない。許可は得ている。不敬罪にはあたらない。
「ふふふふ……、ういやつめー……」
国王が寝言を言った。
そして――。
がばっ、と、きた。
抱きつ