異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術4
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これまでのあらすじ
ＭＭＯＲＰＧクロスレヴェリにおいて坂本拓真は、その圧倒的な強さと、公式ラスボスより雰囲気のある演技ロールプレイにより『魔王』と呼ばれていた。
誰より早く《脳の魔王エンケバロウス》を倒したことで、彼は《魔王の指輪》を獲得する。あらゆる魔術を反射するという最強装備のひとつだった。
ある日──拓真はクロスレヴェリそっくりの異世界へと召喚される。
豹人族の少女レムと、エルフの少女シェラ、二人は同時に儀式を行ったらしく〝自分こそが召喚主だ〟と言い争う。
「……この召喚獣はわたしが召喚したのです。あなたの魔術は成功していません」
「違うし！ あたしのだし！」
しかし《魔王の指輪》により、《隷従の首輪》は彼女たちに嵌まってしまう。
二人のケンカに困惑する拓真──プレイヤーとしては優れているが、コミュ力は皆無なのだ。悩んで放った台詞は、ゲームで使っていた魔王ロールプレイだった。
「くだらん争いはやめるがいい。貴様らは今、《ディアヴロ》の前にいるのだぞ」
地方都市ファルトラを拠点にする三人。
レムには秘密があった。なんとその身に《魔王クレブスクルム》が封じられているのだという。誰にも助けてもらえまいと悲観する彼女に、ディアヴロは言い放つ。
「俺に全て任せろ。貴様にどんな事情があろうと、魔王が吞みこんでくれる」
翌日、冒険者の登録をしたディアヴロたち。
初クエストに行ってみると──それは罠だった。エルフの精鋭部隊がシェラを連れ戻そうと襲ってくる。シェラはエルフの宗主国グリーンウッド王国の王女だったのだ。
しかしディアヴロは精鋭部隊をあっさりと撃退する。
死んでも復活できるゲームと、本当に死んでしまう異世界ではレベルの上げやすさが違う。差は大きかった。
魔族エデルガルトが率いる一〇〇体の魔族が襲来する。同時に、街中にも強力な魔族グレゴールが出現していた。
本気になったディアヴロは、エデルガルトたち一〇〇体の魔族を退け、帰還魔術により一瞬で街に戻る。そして、グレゴールを圧倒的な魔力で撃破して、レムたちや街を救ったのだった。
ファルトラ市の領主ガルフォードから、クエストの依頼があった。
エルフの宗主国グリーンウッド王国の王子キイ
