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作者:草木うしみつ,黒衛もん
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-02-02(Hobby Japan)
价格:¥550 原版
文库:HJ文库

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戦闘医師 野口英雄 目次 序章 僕には、どうにも分からない 第一章 HOUNDDOC――対病魔特殊医猟部隊 第二章 PARTY――会合 第三章 GLORIA――栄光、その裏で 第四章 DOC FIGHT――闘病 第五章 MEDIC――神を殺せし者 第六章 WELCOME――仲間 終章 この世に病みがある限り あとがき 序章 僕には、どうにも分からない 「不当な裁判だ!」  怒号が、法廷内の空気を揺らした。  アフリカの一国、ガーナ共和国。その首都アクラ……といっても、場所をすぐ頭に思い描ける日本人は多くない。  まして、アクラの第八法廷という言葉にピンとくる日本人はいないだろう。  それはアクラのとある裁判所の開かずの間として、現地の人々からも忘却された場所。  本法廷が扱う事件。それは――戦争犯罪。戦争中に行われた違反行為への裁きの場だ。  アフリカで比較的政情が安定しているこの国で、当該法廷は永らく閉ざされていた。  過去を遡っても法廷が使用されたのは数えるほどしかない。日本人が法廷の存在を知らないのも、当然と言える。  しかし、その日。  西暦二〇二五年五月二十一日。第八法廷は開廷していた。  この法廷が使われること自体が異様だが、裁判の様子は輪をかけて異様だった。  まず、アフリカの法廷であるにもかかわらず裁判官はアフリカ系ではなかった。白い肌に青い瞳……アングロサクソンの容姿だった。  第二に、法廷に設けられた申し訳程度の傍聴席に現地の人々が押し寄せ、すし詰め状態だった。その誰もが異様に興奮し、裁判官に向かって怒声を張り上げている。  最後に、裁判にかけられた者の存在。  被告席で裁判官と対峙していたのは、日本人の少年だった。  齢十六ほどだった。やや甘みのある面構えをしていた。  その髪はくせ毛だった。  その背は平均並みだった。  左手の甲には酷い火傷の痕があった。  その醜い火傷を隠すよう、緑色の包帯を巻いていた。  傍らには弁護人はおらず、本人も別段気にしていない様子だった。  意志の燃えたぎる目で、ただ真っ直ぐ裁判官を見つめていた。 「静粛に」  傍聴席から放たれる怒気を払うように裁判官が声を上げる。裁判官はそのまま被告席の少年へと言