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作者:二階堂紘嗣,ふーみ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2015-12-29(讲谈社)
价格:¥594 原版
文库:讲谈社轻小说文库
丛书:失楽ノア(2)
代购:lumagic.taobao.com
失楽ノア2 口絵・本文イラスト/ふーみ デザイン/百足屋ユウコ+ナカムラナナフシ(ムシカゴグラフィクス) 編集/庄司智  目の前に広がる暗黒の景色。  それは楽園の崩壊だった。 「兄様! 兄様、兄様っ!」  泣きわめく妹のリリィ、その周囲に群がるおぞましい姿の化け物たち。 「助ケテ」  化け物の一人が言った。全身がアンバランスに肥大化し、部分的に肉腫が浮かび、皮膚が爛れていた。悪臭が漂う。 「うわぁああああああ──っ!」  ノアはリリィを抱きあげ、その場から逃げようとした。けれど、そのときノアは九歳の子供でしかなく、気づけば怪物たちに囲まれ、逃げ道を失っていた。 「助ケテクダサイ、坊ッチャン、助ケテクダサイ」  怪物たちは──町の人々だった。  助けを求める彼らから瘴気が溢れ、リリィが苦しそうに咳きこむ。 「来るなっ! こっちに来るなよっ!」  ノアは恐怖に取り憑かれていた。  歯がガチガチと鳴り、細い腕も足も震えた。  ノア自身も瘴気を吸いこみ、咽喉から肺にかけて焼きつくような痛みが走った。  体が満足に動かなくて、なにも考えられなくなったとき、声が聞こえた。 『我を欲するか? 求めるのなら与えよう』  そう、あれはフィオナの誕生日だった。  楽しい一日になるはずだったのに──。  あの日、ノアを取り巻く世界は終焉を迎えた。  押し潰される家々。砕ける石畳の道。折れ曲がる木々。  圧縮される異形の人々……。  響きわたる絶叫と、その後に訪れる不気味な静寂。  それはのちに『大空震メテオラ』と呼ばれ、竜王直轄の調査団が派遣される事態に発展した。しかし、原因はいまだに究明されていない。大勢の人が行方不明のままだ。  大好きだった両親や、フィオナも……。  けれど、ノアは知っている。  あの惨劇は自然災害などではなく、自分が引き起こしたのだと。 第1章 王立アリエスト学園 「──っ」  目覚めの瞬間は、快適とは言いがたかった。  全身が重だるく熱い。いつもの悪夢のせいだ。  七年が経過してもノアの中であの日が薄まることはない。  カーテンの隙間から豊かな朝日が差しこみ、窓辺に置いた竜の置物を照らしていた。  ノア