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作者:榎宮祐
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2015-12-29(讲谈社)
价格:¥648 原版
文库:讲谈社轻小说文库
丛书:クロックワーク·プラネット(4)
代购:lumagic.taobao.com
クロックワーク·プラネット4 カバーイラストコレクション付き 口絵・本文イラスト/茨乃 デザイン/柊椋(I.S.W DESIGNING) 編集/庄司智 序章 :トラディトーレ  始まりには何も無く、世界は突然始まった。  これまで様々な神話が、創世についてそのように語り伝えてきた。  主神がたったの七日で創り上げた。あるいは母神と父神が愛し合った。もしくは巨人や竜が殺されて、その死骸から何もかもが産まれた──。  だが、世界がどう始まったかは語られても、何故始まったかの記述はない。  永遠とか、無限とか、混沌とか──そんな気の遠くなるような、途方もない概念から、この宇宙は何となしに現れたと云う。  科学という名の神話ですら、天地開闢ビツグバンをこう定義する。  それは時間と空間の区別もない『無』から、忽然と誕生し、爆発的に膨張した、と。  そんな神さまとか、愛とか、怪物とか、特異点とか、膨大なエネルギーとかが、『無』なんてものからひょっこり現れたことに。  果たして──何か特別な理由はあるのだろうか?  無い。  ……いや実際には何か有るかも知れないが、少なくともそれを問う事のできる人間も、答えてくれる都合の良い存在もない。  そもそもそんな疑問自体、本当に意味のある問いだろうか?  たとえば、この〝時計仕掛けの惑星クロツクワーク・プラネツト〟を創ったもの。  この世界を歯車で再創造リメイクした、最新の造物主デミウルゴス。  すなわち──『Y』ならば? 「あなたはどうして世界を創ったのか?」  なんて、そんな風に訊かれれば、『Y』は何と答えるのだろう?  人類のため? 滅亡しかけた地球を救うため?  そんな常識的な答えを返す生き物が、果たしてこんな非常識な代物を創るだろうか。  案外、困惑しきって、首をかしげるのではないだろうか。  ──考えたこともなかった、と。  何も神さまなんて特別でなくても、世界を創ることはできる。  詩を書けばよい。絵を描けばよい。物語を紡げばよい。音楽でも彫刻でも構わない。  何となれば、無理に産み落とさずとも、頭の中で自由に空想するだけでもよかろう。  我々は、我々だけの宇宙をそこに創ることができる。  そして我々がそうすることに意味も理由もない。要らない。  あるいはそれを職務とする小説家や漫画家、音楽家であるなら、何かを表現して伝えた