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作者:草薙アキ,のすく
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2015-12-22(集英社)
价格:¥600 原版
文库:DashX文库

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お兄ちゃんは家に帰りたい。 ~そうだ、帰宅武をつくろう~ この本は縦書きでレイアウトされています。 もくじ 序章 その① ここへ帰ろう、お家へ帰ろう その② 武活ってる場合じゃねえ! その③ LLBBA その④ 武練パワード その⑤ ピンポンダッシュ! その⑥ 大後悔時代 その⑦ 兄の帰還 終章 ダッシュエックス文庫DIGITAL お兄ちゃんは家に帰りたい。 ~そうだ、帰宅武をつくろう~ 草薙アキ    序章 「――がはっ!?」  コンクリートの壁に叩きつけられ、何度目かも分からない衝撃が俺の身体を駆け抜ける。  痛覚も疾うに麻痺しているのだろう――〝痛い〟という感覚はすでになく、ただ途切れそうになる意識を、なんとか繫ぎ止めることの方が重要だった。  降りしきる雷雨の中、地に伏す俺を冷たく見下ろすのは、白い制服を身に纏った筋骨隆々の男だった。  満身創痍の俺とは違い、男の姿はほぼ無傷――いや、実際俺の拳はことごとく撥ね返されたのだ。ほぼどころか、完全に無傷だろう。 「……だからそこをどけって言ってんだろ……っ」  震える四肢に鞭を打ち、俺は生まれたての子鹿の如く立ち上がって、キッと男を睨みつける。  誰が見ても、その姿は限界――少し押せば、倒れてしまいそうなほどに弱々しかったと思う。  だがそれでも俺は歯を食い縛り、必死に踏ん張り続けていた。 「……ちっ」  それが面白くないのか、男が苛立ちを孕ませて舌打ちする。  制服越しでも、やつの筋肉がぐっと盛り上がったのが見てとれた。  男は自身の骨をべきばきと鳴らしながら、そのグローブのような右手をかぎ爪状に開く。  今度は全力で――一気に勝負を決めるつもりだ。  対して俺も拳をゆっくりと、しかししっかりと握る。 「何度も言わせんな……っ。俺は……俺はさっさと家に帰らなきゃいけねえんだよ……っ」  握った拳はすでに臨界へと達し、ついには鮮やかな血の滴りを大地に穿つかのように思えたが、雫は地面に落ちる寸前で止まり、逆に天へと向けて昇っていった。  ――〝レイヴ〟。  俺の身体中から横溢する異能の力――〝魂のエネルギー〟がそうさせたのだ。 「かあああああああああああああああっっ!!」  殺