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作者:秋田禎信,菊池政治
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-01-08(讲谈社)
价格:¥1620 原版
文库:讲谈社轻小说文库
丛书:巡ル結魂者(5.5)
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巡ル結魂者 全5冊合本版 巡メグル結リ魂ン者カ 全5冊合本版 秋田禎信 巡ル結魂者 全5冊合本版 目 次 巡ル結魂者1 巡ル結魂者2 巡ル結魂者3 巡ル結魂者4 巡ル結魂者5 口絵・本文イラスト/菊池政治 デザイン/百足屋ユウコ+ナカムラナナフシ(ムシカゴグラフィクス) 編集/庄司智 1  その日は。  なんだかおかしいな、と高城航斗は思っていた。  その日というか、夜からだった。正確な時間は覚えていない。夜中、目を覚ましてベッドのすぐそばにある窓を見た。真っ暗な窓に、外から、白い手のひらがべったりと張り付いていた。  入りたがっているのか、中をのぞいているのか。航斗はそのまま眠った。明日は高校に入ってから初めての中間テストで、せっかくやった数学の一夜漬けを脳内に無傷で残しておかねばならなかった。  翌朝、ベッドから下りようとしたところ。ベッドの下から白い手がすっと出てきて、航斗の足首を摑もうとしていた。  どうやら女の手のようだった。踏みつけたら引っ込んだ。  そのまま洗面台に向かった。歯を磨いていると、背後の出入り口からまた白い手が伸びてくるのが鏡に映っていた。  首を左右にかわしながらうがいして、まだしつこく伸びてくる手首を摑むと、その上に水を吐き出して洗面所を出た。廊下には誰もいなかったし、手も消えていた。  朝食を食べている間、やはりどうもおかしいようだと思った。足下ではまたあの手が、航斗の足を摑もうと頑張っている。  手はどこから出てきているのかというと、座っている椅子の下からだ。人の入れるスペースではない。しかも両親にはなにも見えていないらしい。見えていないもののことを言って変人扱いされるのは嫌だったので、航斗は適当に無視して、もう一度踏みつけてから家を出た。  その後も、手はつきまとってきた。航斗の死角から伸びてきて、摑んでこようとする。試験中は気が散って仕方なかった。仕方ないので何回かペンで刺した。手は多少大人しくなったが、たまにおずおずと足に触れようとするので、航斗が睨むとびくっと怯えた。  学校が終わっても、家に帰っても、白い手はまだふらふら航斗の近くを彷徨っていた。  また明日の試験勉強をしようと机に向かって、航斗はため息をつ