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作者:榊一郎,赤井てら
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2015-12-29(Hobby Japan)
价格:¥559 原版
文库:HJ文库
丛书:蒼鋼の冒涜者(3)
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蒼鋼の冒涜者3 目次 序章 亡国の声 第一章 傷だらけの稀人 第二章 乱雲きたりて 第三章 弱者の戦い 終章 変わりゆく神と神 序章 亡国の声 1  合戦に滾る外の熱気とは裏腹に……場内は冷たく張り詰めた空気に支配されていた。  広く、しかし石造りそのままの無骨な一室。  戦議場には実利の無い装飾など施さないのが慣わしである。中央に置かれた大きな円卓と二十余りの座、燭台、そして壁に――これだけは色とりどりの糸を用いて織られた紋章入りの旗があるだけだ。戦意高揚の為に唯一この場に許された飾り付け。だがそれが今は……今となっては、ひどく重苦しい空気を醸し出していた。  戦議場に居るのは文官が一人、女官が三人、そして騎士が三人。  部屋の広さに比してあまりにも少ない。だからこそ凝る静寂がより一層、重圧となって彼等にのしかかっている。黙れと命じられた訳ではなく、彼等はただ、外から伝わってくる諸々の音に耳を澄ませているのだ。  剣戟の音と。怒鳴り声と。軍靴の音と。それらが交じり合った……合戦の音。時折伝わる遠雷の如き重い響きは、破城槌のものだろうか。  それらは微かに、しかし確実に大きくなっている。  この城の奥に位置する戦議場にまで届く程に。  そして―― 「……陛下!」  ふと一人が顔を上げてそう叫んだのは、聞き慣れた主の足音に気付いたからか。  次の瞬間、弾け飛ぶ様にして分厚い戦議場の扉が左右に開かれる。その向こうから現れた偉丈夫を目にして、文官と女官が安堵の溜息を漏らした。 「国王陛下……!」  一同の視線を集めながら戦議場の中央、円卓に歩み寄るのは、精緻な細工を施された全身鎧を纏い、深紅のマントを翻す、壮年の男性だった。元より体力、気力共に充実している年齢であるが、この男には単なる成熟以上の何かが漲っている。  国王にして武人。ただ歩くだけの姿からもそれが分かる。 「すまんな。戦支度に手間取った」  脇に抱えていた兜を円卓の上に置き、男は――王は戦議場の一同を見回した。 「その方らも大事ないな?」  平伏しようとする者達の動きを片手で制しながら、王はそう問うた。  一同は揃って首肯する。だがこの城の奥にある戦議場の者達に、王たる者がそう問うという事は……既に状況は逼迫しきっ