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作者:手島史詞,八坂ミナト
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2014-02-20(一迅社)
价格:¥594 原版
文库:一迅社文库
丛书:剣刻の銀乙女(6)
代购:lumagic.taobao.com
剣刻の銀乙女 6 挿画:八坂ミナト デザイン:木緒なち(KOMEWORKS) 高橋忠彦(KOMEWORKS) 序章 「――おかえりシルヴィ。ルチル、どうだった?」  夜が明けるころ、病室に戻ってきた少女にヒースは優しく声をかける。  そこは学園ではなく、王都の病院だった。  ヒースは体のあちこちを包帯と添え木で固定されながらも、ベッドで身を起こしている。少し無理が過ぎたらしく、優先的に〈占刻オーメン〉による治療を受けさせてもらったにも関わらず、全治一週間と診断された。  問いかけに首を横に振ったのは、ふわりとした金髪を揺らす少女シルヴィだ。  再会したときは泥と切り傷で酷い格好だったが、今は着替えて傷も手当てされている。 「もう少し、かかりそうだったわ。クラウンのことは表沙汰にはできないもの」  数刻前、ヒースたちはふたつの《剣刻》を持つ魔術師ファラムンド、そして剣刻戦争の黒幕とも呼べる存在――クラウンと戦い、決着をつけた。  大罪人でありながら、クラウンの存在はおおやけにするわけにはいかない。  現存する最後の円卓の騎士であり国王代行という、ただでさえ多忙な身であるルチルは、その後始末で身動きが取れなくなっていた。  その戦いで囮を務めていたヒースたちは全員、軽くはない怪我を負っている。特に、カタリーナ副会長は重傷で、今も治療室から出てきていない。  そこで軽傷だったシルヴィに様子を見に行ってもらったが、まだ時間が必要のようだった。 「ご苦労様、シルヴィ」  そんなシルヴィに、ヒースのベッドの隣に腰をかけていた少女がねぎらいの声をかける。  こちらは学生服でも、いつかの道化師姿でもなく、ドレスのような不思議な黒の衣装を纏っている。大胆に開かれた胸元から、こぼれ落ちそうなほど大きな胸が覗いていた。 「あたしが〈門〉でルチルを連れてきたら早いんだけどね。……というかシルヴィはプレギエーラの皇女なんだから、その特権で命じたら文句も出ないんじゃないかなあ」  服装のせいか、いつもとは少し雰囲気が違って、ヒースもなにやら緊張してしまう。  それも無理はないかもしれない。それというのも―― 「当代魔王のあなたが騎士姫を攫ったら、それこそヒトと罪禍の全面戦争になるでしょうっ?」  道化師という道を生き甲斐にし、ヒースと同じ小隊の仲間でもあった彼女は、