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作者:奥村惇一朗,るちえ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2015-10-30(讲谈社)
价格:¥594 原版
文库:讲谈社轻小说文库
丛书:イー·ヘブン(1)
代购:lumagic.taobao.com
イー·ヘブン 口絵・本文イラスト/るちえ デザイン/アフターグロウ 序章  目が覚めると、俺は古い小屋にいた。  むき出しの木の床にボロボロの布を敷き、そのうえに汗だくで横になっていた。  部屋はこの1室のみで、窓にはガラスもなく、ただ壁に穴が空いているだけの状態だ。そこからは爽やかな朝の日差しがさし込んでいる。聞こえてくるのは小鳥の声だ。  壁にはランプが掛かっており、天井に何もないのを見ると、おそらく電気も来ていないのだろう。 「ここは……どこだ?」  見たところ、この小屋には俺しかいない。だから誰も聞いていなかったのだが、俺はそう口にせずにはいられなかった。  こんな小屋が我が家なはずがない。  しかし、だとすれば俺はどういった経緯でこの小屋に来たのだろうか?  俺は自分の身に何が起きたのかを、ゆっくりと思い返す。 「……?」  おかしい。昨日何があったのか、まるで思い出せない。  頭がズキズキと痛む。二日酔いか? いや、俺は酒など飲んだことはない。  昨日の記憶がない。それだけでも一大事なのだが、もっとマズイことがある。 「俺は……誰だ?」  昨日のことどころか、それ以前に自分のことが全く思い出せない。  自分は最初からこの小屋にいたわけではない。それはなんとなく分かっている。  俺はどこか別の場所から、この小屋に辿り着いたはずなのだ。確証はないが確信はある。  では、どこから? どうやって? どういう経緯で? その辺が丸っきり頭から抜け落ちている。それ以前に、自分の名前すら思い出せない。  完全な記憶喪失だ。「記憶喪失」という言葉は覚えているのに……。  言葉は覚えている。日本語だ。おそらく、というか間違いなく俺は日本人だ。しかし、日本がどういうところだったかもサッパリ思い出せない。  そもそも俺はどんな顔をしているのだろうか? ここには鏡もないので、見ることはかなわない。自分の体を見下ろすと、ボロ布をそのまま着ました、といった様な服装だった。 「……だめだ、サッパリ思い出せない。せめて自分の名前ぐらい知りたい。俺は何て名前なんだよ?」  ……と、再び1人で喋る。俺ってこんなに独り言多かったっけ? それすらも思い出せない。  しかしそんな独り言に、何か