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作者:瀬尾つかさ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2014-10-18(一迅社)
价格:¥594 原版
文库:一迅社文库
丛书:聖煉の剣姫と墜ちた竜の帝国(2)
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聖煉の剣姫と墜ちた竜の帝国 2 挿画:美弥月いつか デザイン:木緒なち(KOMEWORKS) 高橋忠彦(KOMEWORKS) 序章  トゥライス・タウという世界がある。  六十年に一度、赤い月から魔王の軍勢が侵攻してくるこの世界では、そのたびに竜を中心とした連合軍が生まれ、激しい戦いのすえ、魔王の軍勢を打ち破った。  二百四十年前も、百八十年前も、百二十年前も、そうだった。  しかし六十年前、魔王の軍勢は来なかった。  人々は、長く続いた平穏に牙を抜かれた。  竜の帝国は滅びた。  人の王国は相争い、ちからを失っていった。  聖女たちの予言の言葉には、誰も耳を傾けなかった。  魔王の最後の侵攻から、百二十年が経った、ある日。  赤い月から、魔王が降ってきた。 第一話 天空の島、ネクサス・シティ  ネクサス・シティは、世界でただひとつ、空に浮かぶ島である。  二十年前、墜落した竜の帝国の遺産を、賢者の学院の技師たちが改造した人工島だ。七つの超大型魔導炉により浮遊するこの島は、一年かけて大陸を一周する。  ネクサス・シティは、賢者の学院が支配する、実質的な独立国家だ。十六王国に次ぐ十七番目の王国といわれることもある。  地上の争いには、原則的に不介入。  永世中立を謳う。  ただし、ダンジョンと魔物の駆除は別だった。これらに対して、ネクサス・シティは積極的な介入を行なう。  賢者の学院とは、百二十年前の魔王襲来ののち、長命種の生き残りたちがつくりあげた教育研究機関なのである。  ゆえに魔物や、マナを多く吸った霊草に関する研究も進んでいる。そういった研究者を積極的に受け入れてもいる。その研究内容に、少々、問題があっても、だ。  どんな研究が実を結ぶかわからないと、賢者の学院を支配する八賢老たちはよく知っていた。  なにせ彼ら自身が、そうしたイレギュラーの結果、いまの地位を手に入れたのだから。  魔王降臨から二ヶ月後。夏の真っ盛りの早朝。  ネクサス・シティの外殻、進行方向右手前、第六ブロックに存在する植物研究所では、今月三回目の異常繁殖スタンピードが起こっていた。  賢者の学院でわざわざ栽培しているものが、ただの植物であるはずがない。過去二回と同様、今回、暴走したのも植物系の魔物であった。  螺旋巻蔓スパイラル・ヴエイン。  蛇のように蠢く蔓状植