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作者:餅月望,シロタカ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2015-10-23(集英社)
价格:¥600 原版
文库:DashX文库

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俺の胃袋は彼女に握られている。 この本は縦書きでレイアウトされています。 CONTENTS 序章 血と満月の夜、彼は少女の膝小僧を舐める 第一話 吸血鬼は踊る。小学校の校舎で。 第二話 赤犬娘は美味しい 幕間 情けは人のためならず 第三話 人類の夢を平らげる話 幕間 血をすする死者たち 第四話 祝福された修道女シスターは、彼の福音となりえるか? 終章 その日、少女は吸血鬼と出会った ダッシュエックス文庫DIGITAL 俺の胃袋は彼女に握られている。 餅月 望    序章 血と満月の夜、彼は少女の膝小僧を舐める  深夜の児童公園。  昼は子どもでそれなりに賑わうこの公園も、夜中の十二時になろうかという時刻には、しんと静まりかえっていた。  そんな公園のまん中に、一人の少年が倒れていた。  血に染まる学生服。無数に空いた小さな穴からは止めどなく、赤い血が湧き出してくる。  銃で撃たれたのは初めてだが、なるほど、こんな感じになるのか……。  ぼんやりと自らの体を眺めながら、紅亥十切は妙なことに感心していた。  痛み、というよりは熱といった感じか。ちょうど、蜂に刺されたのに似ているかもしれない。 「っと、いかんいかん。そんなことを考えている場合では、なかったな……」  近くのジャングルジムを摑み、身を起こす。 「すまんな。実は絶食十日目で、ついフラついた」  そう言って、立ち上がろうとした彼を、小さな手が押さえた。その拍子に膝が折れ、そのまま後ろに倒れこむ。  後頭部を柔らかな感触が受けとめた。温かな少女の肌の体温。華奢な太ももの、固さの残った柔らかさに、十切は、自分が膝枕をされているのだと気づく。 「大したものですね。この状況で、そんな強がりが言えるなんて……」  くすり、と……。  小さな笑い声。幼く可愛らしいその声の持ち主は、年端もいかぬ少女だった。  年の頃はようやく十を越えたかというところ。月明かりに照らし出される長く黒い髪が十切の顔に落ち、鼻先を清潔なシャンプーの香りがくすぐった。  夜空の黒を切り取ってきたような、漆黒の美しい瞳を、十切が持っていたファーストフード店の紙袋に向けて、少女は笑みを深くする。 「