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作者:篠崎芳,〆鯖コハダ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2015-09-25(overlap)
价格:¥690 原版
文库:overlap文库
丛书:聖樹の国の禁呪使い(4)
代购:lumagic.taobao.com
聖樹の国の禁呪使い 4 目次 序章 第一章 ルノウスフィア家の少女 第二章 不在と、来客 第三章 四凶災、襲来 第四章 絶望を求むる男と、銀乙女 第五章 すべてを賭ける、覚悟を 終章 イラスト/〆鯖コハダ 序章  いつの記憶だろうか。  ベシュガム・アングレンはふと、自分の身体に傷をつけた女のことを思い出す。  人間を殺すため、町を襲った。  必要な数の人間を、惨殺した。  町に住む人々に限らず、町を救おうとやって来た別の都市の兵士たちも問答無用で殺した。  後にやって来た聖樹騎士団と名乗る者たちも、容赦なく殺した。  彼らの多くは町から逃亡。  その場で生き残っていた騎士団の人間は、左腕を失った男一人だけであった。  ただし彼は、ベシュガムたちの相手をするには未熟すぎた。  騎士団らの逃亡時間を稼いだのは、副団長と呼ばれていた一人の女。  仲間を逃がすべく町に留まったその女は見たことのない強力な攻撃術式を乱発し、鬼気迫る戦いを見せた。  しかし術式による負荷が祟ったか、ついに女は命を失った。 「なんだ、力尽きて死んでしまったのか」  藍色の髪をした眼鏡の男――次男のゼメキス・アングレンが女の死体を見下ろす。 「負荷の大きな高位術式の連続使用に、身体がもたなかったようだねぇ」 「シャシャシャ、こんなに美人なのに死んじまうたぁ勿体ねぇぜ。まあ死体は綺麗なままだから、硬直するまでは問題なく使えるか」  上背だけが異様に発達した金髪の男――三男のマッソ・アングレンが、死体を丁寧に転がす。 「死体でいたすとはね。くく……つくづく趣味が悪い。最高だ」 「マッソ兄ちゃん、飽きたらぼくにちょうだい! 見た目が綺麗な死体はバラバラにして犬に食べさせると、すっごく面白いんだ!」  手足が長い赤髪の長身――ソニ・アングレンが無邪気に言う。 「安心しろ。物理的に壊しやしねぇよ。さて、んじゃあ――」  マッソがズボンに手を掛けた時だった。 「やめろ、マッソ」 「あぁ?」  制止したのは、ベシュガム。 「んだよ、ベシュガム? おまえが止めに入るなんて珍しいじゃねぇか」  ベシュガムは己の耳の傷に指で触れた。 「その女はこのオレに傷をつけた。オレはその女に敬意