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作者:三河ごーすと,よし☆ヲ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2015-09-02(讲谈社)
价格:¥594 原版
文库:讲谈社轻小说文库
丛书:現代魔法のいらない魔術師 下僕と生きる第二の伝説(1)
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現代魔法のいらない魔術師 下僕と生きる第二の伝説 口絵・本文イラスト/よし☆ヲ デザイン/AFTERGLOW 序章 とある伝説の魔術師の話 「──ふむ。あれを食らったら、ひとたまりもないな──」  紅蓮に輝く隕石が、ロウエンの頭上に降ってくる。  視界を埋め尽くすほどの巨大なそれは轟音を伴い、徐々に速度を増している。  西に太陽が沈みゆく夕暮れ時。  ロウエンは、王都へ続く街道の半ばに立ち尽くし、空を見上げていた。  真っ黒なローブを着た、黒い髪の少年である。  見た目の年齢は、十七、八といったところ。  童顔気味の優しげな顔をしている。だがそこに覇気やなんらかの感情の起伏は見られない。ピクリとも動かぬ生真面目な無表情だ。  どこか気だるそうな様子で、ぼーっと自分を狙い落ちてくる隕石を見つめている。  それは、自然の猛威などではない。  千里離れた山の中腹に立ち、両腕を天に突き上げた存在が使用した、魔術の力によるものだった。  吸血鬼──。  この世界に存在する、人類の敵だった。  圧倒的な魔力と強靱な肉体を持つ不老不死の化け物。そいつが、天よりも高き混沌から、隕石を呼び寄せたのだ。  広範囲を殲滅する落星魔術メテオ。  地面に着弾すれば、あたり一帯が焦土と化すだろう。  もちろんその中には、王都も含まれる。  そこで暮らす人々が、死ぬ。  大勢の人が、死ぬ。  彼ら彼女らはけっして抗えない。魔力を持たぬ人間は、吸血鬼の放つ魔術に対して手も足も出せずに、一瞬のうちに殺されてしまう。  ロウエンは静かに右腕を持ちあげた。  その手には、神樹を削り出して作られた、賢者の杖が握られている。  彼は足元の石を顔の高さまで蹴り上げた。そして、 「『踏みつけられし大地の精霊/その怒りを示し/天に抗え』」  ゆるやかに呪文の言葉を口にすると同時に、すこーん! と、杖の先で石を打ち上げるようにぶったたいた。  ゴッ!! と、風を切り裂く轟音とともに凄まじい加速度を得た石が空へと射出される。地面の砂を巻き上げ、風圧で周囲の木々を揺らし、隕石に倍する、いや三倍か四倍はあろうかという速さで天を目指す。  その小さな石が直撃しただけだというのに、隕石は見るも無残に粉々に打ち砕かれていた。石