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作者:ウメ種,柴乃櫂人
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2015-08-25(overlap)
价格:¥1200 原版
文库:overlap文库
丛书:神殺しの英雄と七つの誓約<エルメンヒルデ>(1)
代购:lumagic.taobao.com
神殺しの英雄と七つの誓約 エルメンヒルデ 1 「神殺しの英雄と七つの誓約 目次 序章 第一章 やる気のない英雄 第二章 旅の始まり 幕間 フランシェスカ・バートン 第三章 冒険者と落とし穴系魔術師 第四章 神を殺した英雄と神を殺した武器 終章 番外編 ヤマダレンジの剣  目を覚ますと、少しだけ懐かしい感じがした。僅かに感じる酒精の香りが心地好く、今この場所がどこかを思い出す。片田舎の酒場。そこで、酔い潰れたのだろう。そこまで酒に弱いつもりはないが、少しばかり飲み過ぎたようだ。  木製のテーブルから頭を上げると変な体勢で眠っていたからだろう、身体の節々が痛んだ。軽く伸びをすると、身体の筋が伸ばされて気持ちが良い。次いで、首を横に振ると気持ち悪いほどにゴキゴキと鈍い音。その音に、カウンター奥の老店主は顔を顰めた。 「ようやく起きたかね」  コップを磨きながらの言葉が、やけに渋く思える。その仕草を少しだけ羨みながら、眠気で重くなった瞼を開き、顔を向ける。 「ええ。ここの酒は美味しいですから、良い夢を見ることが出来ました」  しかし、どんな夢だったのかを思い出せない。残っているのは、僅かに口元を緩めてしまいそうになる温もりともいうべき温かさだけである。  多分、昔の夢を見ていたのだろう。胸の奥に微かに残る温もりが心地好い。  昔の仲間たちは、元気にしているだろうか。ふとそんな事を考えて、もう一度首を振る。彼ら彼女らと袂を分かったのは自分だ。救世主として召喚され、英雄として期待され、神殺しを望まれた。  脳裏に浮かぶのは辛くも充実していた日々への懐古と、僅かばかりの後悔。救世主として振る舞い、英雄として凱旋し、神殺しとして羨まれた。  その重圧から逃げた自分を、同郷の仲間達はどう思っているだろうか。確かめる度胸は、残念ながら今の自分には無い。ただもう暫くは、ゆっくりのんびりと、平穏に過ごさせてもらおうと思う。なんとも情けない大人だな。苦笑しながら、空になっている木のコップを指先で軽く弾く。どうやら、酒に逃げる時間はもう終わりのようだ。  蠟燭の頼りない火に照らされたカウンターに、あまり中身の無い財布から銅貨を三枚取り出すと乾いた音を立てて置く。 「勘定。置いときます」 「おう、さっさと帰れ。酔って道端で寝ないようにな」 「はは。気を付けます」  木